どうも。今回は日向くんと七海さんのお話です。
この2人は単純にイチャイチャしてるのが似合うよね。
今回も、あの事件は起こっていない世界です。
では、どうぞ。
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日向創 side
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遅い。あまりにも遅い。遅すぎる。
別に七海が遅刻してくるのは今回に限った話じゃない。ただ……最近は来る時間がどんどん遅くなっている気がする。
初めのうちは何回もこれに振り回されて、大変だったもんだ……
………にしても、今回はあまりにも遅い。
最近だと遅くても1時間程度で収まっていたはずなのに…今日はもう1時間半は経っている。
いや、騙されるな……何回もこの手に引っかかってきただろ?
毎度毎度これで心配してアイツの家に行っては寝てただけ…みたいな事を繰り返してる。
ほんと、甘すぎるよな。
そんなことは俺が1番分かってる。
でも…それくらいが丁度良いんだよな?
七海の家へ向かう。その道中アイツの姿を見かけることは無い。
これもいつもの事だ。
そんな風にボヤきながら、歩みを進める。
変わらない景色だ。
いつもとなんら変わらない景色。
………七海って、やっぱりちょっと抜けてるよな…?いや、抜けてるというより…ズレてる?
……アイツと俺の価値観が違うだけなのか?
そうだとしたら、俺がとやかく言うのはお門違いなんだが……
こう、人間としての常識が通用しない部分がある…みたいな感じか?
いや、さすがに考えすぎか。
色々なことを考えているうちに、七海の家に着いた。
一戸建ての割にはその形は小さく、少し不便そうだという感情を覚える。
まぁ、アイツはゲーマーだからそんなに広い家も必要ないってことか?
俺はチャイムを鳴らしてみた。
しかし、七海の声が帰ってくることは無い。
そりゃそうだ。寝ている人間がチャイムの音を聞いてすぐに起きてこられるとは考えづらい。しかも、その人間は七海だ。
ん〜…勝手に入るのは、良くないよな?
いくら仲がいいと言ってもさすがにこれは躊躇われる。
俺はポケットから携帯を取り出す。そして七海に電話をかけてみる。
辺りは静寂に包まれている。聞こえてくるのは小鳥のさえずりや、風に揺れる葉の音だけだ。
そのおかげか…やけに電話のコール音がスッキリと聞こえる。
そんな静寂を切り裂くように、電話から声が聞こえてきた。
やっぱり寝てただけか…まぁ、何も無くて良かったって言うべきなのか?
いや、にしても何回このやり取りするんだよ…
そんなことを考えながら俺はドアノブに手をかけ、回した。
1番初めに目に飛び込んできたのは、妙に整理された靴達。そして埃一つない廊下だ。
あ……そういえば、まだ電話切ってなかったな。
俺はそんな廊下には目もくれず、階段を上がり七海の私室へ向かう。
扉を開ける。すると目に入るのは、先程の廊下や玄関とは打って変わって散らかった部屋。
ゲームのカセットやコントローラーは整頓されているのに対し、放置された衣類や溜まったゴミがそこら中に混在している。
第一声は、それだった。いや、誰だってこの部屋を見たらこんな感情を抱くだろう。
普段の七海を見てる感じ、そうは思えないが...
……もうこの時間になってしまっては、わざわざまた外に出かける必要も無いか…
俺がそう言うと、七海は少し驚いた様子で口を開いた。
そう言って無造作に置かれたカセットの山から七海は1つのカセットを取りだした。
そして、ゲームを立ち上げた。カーテンを閉めているからか、少し薄暗い部屋にテレビの光が点る。
結果は惨敗。手も足も出ないとは、おそらくこの事だろう。
まぁ、分かってはいた。七海は超高校級のゲーマーだし。ただ…ここまで一方的だとは思わなかった。
しかも、本人は悪意なくこれをしているのだから…尚更タチが悪い。
そこは言い切ってくれよ……と心の中でツッコミを入れつつも、なんだか心が洗われる感覚を覚える。
その後、小声で七海が何かを言った気がした。
しかし、その言葉が俺に届くことは無かった。
正直、俺は七海が何を言いたいのかあまりよく分からなかった。ただ…本当に何も無いことはないだろう。
そんなに酷いことなら、すぐに相談しに来るだろうからまだ心配はしなくてもいいだろう。
なんせ、俺と七海は恋仲……
いや、今のはちょっと恥ずかしいな。やっぱり慣れないことを考えるのは辞めておこう。
そんな事を言い合いながら、時間を過ごす。何気ない一日だ。
こんな日々が…ずっと、ずっと続きますように…
あとがき
今回は、情景描写をふんだんに入れてみました。そのおかげで、急展開になるのは避けれた…気がする。
タイトルの「"You and I" and…」は、訳すと「『あなたと私』、そして…」という意味になります。
ここまでの文章中に、幾つか「俺と七海は…」とか、2人を比較する単語が出てきたと思います。
また、「You and I」で「友愛」という言葉ともかけていたりします。
この2人は友達としても、恋人としても良い距離感ですよね。
ちなみに、なんであの事件起こってないのに七海がプログラムやねんというツッコミに関しては、受け付けていません。ごめんね。
それでは、また次のチャプターでお会いしましょう。次は…V3かな?
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!