第3話

"You and I" and…
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2025/03/23 17:35 更新
どうも。今回は日向くんと七海さんのお話です。
この2人は単純にイチャイチャしてるのが似合うよね。
今回も、あの事件は起こっていない世界です。
では、どうぞ。
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日向創 side


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日向創
む……………
遅い。あまりにも遅い。遅すぎる。
別に七海が遅刻してくるのは今回に限った話じゃない。ただ……最近は来る時間がどんどん遅くなっている気がする。
初めのうちは何回もこれに振り回されて、大変だったもんだ……
………にしても、今回はあまりにも遅い。
最近だと遅くても1時間程度で収まっていたはずなのに…今日はもう1時間半は経っている。
日向創
………行った方がいい…か?
いや、騙されるな……何回もこの手に引っかかってきただろ?
毎度毎度これで心配してアイツの家に行っては寝てただけ…みたいな事を繰り返してる。
日向創
……………
日向創
行くか……
ほんと、甘すぎるよな。
そんなことは俺が1番分かってる。
でも…それくらいが丁度良いんだよな?







七海の家へ向かう。その道中アイツの姿を見かけることは無い。
これもいつもの事だ。
日向創
はぁ……全くアイツは…
そんな風にボヤきながら、歩みを進める。
変わらない景色だ。
いつもとなんら変わらない景色。
………七海って、やっぱりちょっと抜けてるよな…?いや、抜けてるというより…ズレてる?
……アイツと俺の価値観が違うだけなのか?
そうだとしたら、俺がとやかく言うのはお門違いなんだが……
こう、人間としての常識が通用しない部分がある…みたいな感じか?
いや、さすがに考えすぎか。
日向創
そろそろ、1回お灸を据える必要があるみたいだな…







色々なことを考えているうちに、七海の家に着いた。
一戸建ての割にはその形は小さく、少し不便そうだという感情を覚える。
まぁ、アイツはゲーマーだからそんなに広い家も必要ないってことか?
日向創
…………
俺はチャイムを鳴らしてみた。
しかし、七海の声が帰ってくることは無い。
日向創
だろうな……
そりゃそうだ。寝ている人間がチャイムの音を聞いてすぐに起きてこられるとは考えづらい。しかも、その人間は七海だ。
ん〜…勝手に入るのは、良くないよな?
いくら仲がいいと言ってもさすがにこれは躊躇われる。
日向創
電話でもしてみるか…
俺はポケットから携帯を取り出す。そして七海に電話をかけてみる。
日向創
……………
辺りは静寂に包まれている。聞こえてくるのは小鳥のさえずりや、風に揺れる葉の音だけだ。
そのおかげか…やけに電話のコール音がスッキリと聞こえる。
そんな静寂を切り裂くように、電話から声が聞こえてきた。
七海千秋
あ………日向くん? ふぁー…ねみ…
日向創
……七海、また遅刻だぞ?
七海千秋
ん?あー…ごめんごめん……ぐぅ…
日向創
…おい、寝るな!起きろ!
七海千秋
えー…あ、鍵空いてるよー…
七海千秋
入ってきて……いい、よ…ぐぅ…
日向創
……はぁ…
やっぱり寝てただけか…まぁ、何も無くて良かったって言うべきなのか?
いや、にしても何回このやり取りするんだよ…
そんなことを考えながら俺はドアノブに手をかけ、回した。
1番初めに目に飛び込んできたのは、妙に整理された靴達。そして埃一つない廊下だ。
日向創
…やっぱり、こういう所はちゃんとしてるんだよな…
七海千秋
んー…何か…言った?
あ……そういえば、まだ電話切ってなかったな。
日向創
いや、何でもないぞ
俺はそんな廊下には目もくれず、階段を上がり七海の私室へ向かう。
日向創
……入るぞ
七海千秋
ふぁい………
扉を開ける。すると目に入るのは、先程の廊下や玄関とは打って変わって散らかった部屋。
ゲームのカセットやコントローラーは整頓されているのに対し、放置された衣類や溜まったゴミがそこら中に混在している。
日向創
……掃除しないのか?これ……
第一声は、それだった。いや、誰だってこの部屋を見たらこんな感情を抱くだろう。
七海千秋
私はね...いっぱい溜めて一気に終わらせるタイプの人間なんだよ...
日向創
……ホントか?
普段の七海を見てる感じ、そうは思えないが...
七海千秋
うん、ほんとほんと...
日向創
そうか……いや、それよりも!
日向創
また寝てたのか?
七海千秋
うん、今ゲームのイベントがアツいんだよ
日向創
なんだそれ……
日向創
まぁ、何も無くて良かったよ…
七海千秋
……日向君も、ゲームする?
……もうこの時間になってしまっては、わざわざまた外に出かける必要も無いか…
日向創
あぁ、そうさせてもらうよ
俺がそう言うと、七海は少し驚いた様子で口を開いた。
七海千秋
……日向君も、ゲームとかするんだね
七海千秋
2人で出来るゲームって言ったら…これかなぁ?
そう言って無造作に置かれたカセットの山から七海は1つのカセットを取りだした。
日向創
俺だってゲームくらいするぞ…
日向創
さすがに七海ほど上手くは出来ないけどな…
七海千秋
ふーん…まぁ、頑張れ…?
日向創
なんだそれ…
そして、ゲームを立ち上げた。カーテンを閉めているからか、少し薄暗い部屋にテレビの光が点る。
七海千秋
やるからには、負けないよ?
日向創
俺も全力は出すよ…お手柔らかに頼む
日向創
はぁ…………
七海千秋
そんな落ち込む必要は無いよ
結果は惨敗。手も足も出ないとは、おそらくこの事だろう。
まぁ、分かってはいた。七海は超高校級のゲーマーだし。ただ…ここまで一方的だとは思わなかった。
しかも、本人は悪意なくこれをしているのだから…尚更タチが悪い。
日向創
…やっぱ、俺って才能無いよな…
日向創
七海みたいに、何か凄く得意なことがある訳じゃないし…
七海千秋
んー…そんな事無いんじゃないかな
七海千秋
日向君には日向君にしかない良さがある……と思うよ
そこは言い切ってくれよ……と心の中でツッコミを入れつつも、なんだか心が洗われる感覚を覚える。
七海千秋
第一、私と日向君を比べるのはちょっとおかしいし…
日向創
ん……なんでだ?
七海千秋
え……あ、何でも無いよ
日向創
えぇ、気になるなぁ……
七海千秋
まぁ、そのうち分かる日が来るよ
その後、小声で七海が何かを言った気がした。
七海千秋
…ほんとは、来ない方がいいんだけどなぁ
しかし、その言葉が俺に届くことは無かった。
日向創
ん?何か言ったか?
七海千秋
……いや、何でも無いよ
日向創
おいおい、そればっかりだな…
七海千秋
ううん……ほんとに、何でも無いよ
日向創
そうか?なら…いいんだが
正直、俺は七海が何を言いたいのかあまりよく分からなかった。ただ…本当に何も無いことはないだろう。
そんなに酷いことなら、すぐに相談しに来るだろうからまだ心配はしなくてもいいだろう。
なんせ、俺と七海は恋仲……
いや、今のはちょっと恥ずかしいな。やっぱり慣れないことを考えるのは辞めておこう。
七海千秋
ん…?日向君、顔赤いよ?
日向創
え…あ、あぁ…いや、何でも無いぞ
七海千秋
ふふっ…日向君も、何でも無いんだね
日向創
あ……
そんな事を言い合いながら、時間を過ごす。何気ない一日だ。
こんな日々が…ずっと、ずっと続きますように…








あとがき
今回は、情景描写をふんだんに入れてみました。そのおかげで、急展開になるのは避けれた…気がする。
タイトルの「"You and I" and…」は、訳すと「『あなたと私』、そして…」という意味になります。
ここまでの文章中に、幾つか「俺と七海は…」とか、2人を比較する単語が出てきたと思います。
また、「You and I」で「友愛」という言葉ともかけていたりします。
この2人は友達としても、恋人としても良い距離感ですよね。

ちなみに、なんであの事件起こってないのに七海がプログラムやねんというツッコミに関しては、受け付けていません。ごめんね。
それでは、また次のチャプターでお会いしましょう。次は…V3かな?
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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