毎日、午後3時に腹は空いてくる。
そのため、いつものように赤い果実を一口食べた。
今日は、少し苦かった。
きっと古くなっていたのだろう。
布団から起きるための足は、鉛のように重い。
ドアノブは硬く、開こうとする度に眠くなる。
アラームを止めるための手は、岩のように動かない。
そのせいで、もうアラームの充電は尽きた。
頭は、ずっとぐるぐる、ぼやぼやしている。
正直、この部屋から出たくなかった。
寝巻きは身体に纏わり付くように離れない。
悪く暗い考えは、頭を縦横に走り回る。
急な静けさに、また翻弄された。
また、光る薄い板に手を伸ばす。
別のことをしなくてはと悩む内に、もうその板から目を離せなくなっていた。
これを繰り返し、視界はぼやけていった。
ずっと、めまいがする。
いつもはめまいなんてないのに。
それ以外は、いつもの事なのに。
赤い果実をふと見ると、
少し玉ねぎのような形をしていた。
だから皮が硬かったのだろうか。
視界がぼやけている為、見えなかったのだろう。
次からは眼鏡をかけよう、そう決心した。
今日はなんだか呼吸がし辛い。
気分は悪くなってきた。
ふと、その果実を調べると「柘榴」というらしい。
漢字について詳しくないので、
あまりどう読むのかは分からなかった。
そんなことを気にせずに、また布団に潜った。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。