今日は二月十四日、お菓子にまみれた日。
教室では、笑う男女がお菓子を渡しあっている。
とても甘く楽しい雰囲気で、思わず微笑む。
その流れに身を任せ、あの子の机にお菓子を入れる。
どう思われるだろう。
そう考えたら、胸がドキドキしてきた。
いつもあの子の事を考えてしまう。
もういっそ、気持ちを伝えたい。
ーーでも、勇気はなかった。
だから、この日に気持ちを伝えたい。
この日のために焼いたマドレーヌが、
微かに甘い香りを漂わせた。
今日は二月十四日、お菓子にまみれた日。
悲しい事に、机にはグミが大量に入っていた。
そんなことはどうでも良いが、
やはり悲しいものは悲しい。
グミの中をかき分け、チョコレートを探す。
ーーあった。
手紙があり、宛名を探すと何も書いていなかった。
きっと、恥ずかしがり屋なのだろう。
そう思いながら、チョコを食べる。
その味は甘く、天国に行くような感覚に襲われた。
この日に、チョコを貰ったのは初めてだ。
きっと、グミが無くても舞い上がっていただろう。
喜びを噛みしめ、最後の一口を口に放り込んだ。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。