窓に反射した光が、地面に溢れる。
その様子は、とても儚く綺麗だった。
段々と、奥に進む度に暗闇は近付いてくる。
それは、まるで小さい頃に見た童話のようだ。
英雄は消え、悪魔が近づいてくる…そんなお話。
奥の風景は、きっと心を映しているのだ。
暗い街の隙間で、奥に奥に進んだ。
もう、光は消えた。だが、風に身を委ね、進んだ。
進んだ先に、何があるか分からないけれど。
ようやく、自分の家に着いた。
安心感を覚え、鍵を回した。
テーブルの上に見える、古い写真。
そんな記憶はもうないけれど、
どこか懐かしいような物。
今日は、早く歩きすぎた。
そう考えながら、ベッドに身を投げた。
布団の中は冷たい。
その冷たさが夏には気分が良くなる物になる。
そんな季節に早くなってくれ、
そんな思いを頭で流しながら、眠りについた。
きっと、ここは夢だ。
そう考えなければ、焦りが増してしまう。
とっくに、出勤時刻は過ぎてしまった。
自分はちっぽけな存在だ、と言わんばかりの声質で電話をかけた。
不思議そうな声をしていたが、欠勤許可を貰えた。
きっと疲れているのだ。
そう、また考えながら布団に身を投げた。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。