休日の夕方、
あなたはリビングの机で宿題をしていた。
その向かいでは、隼飛が静かに本を読んでいる。
ページをめくり、本を閉じ、また開く。
顔を上げると、隼飛が机で頬杖をついている。
暇人すぎる。
でも実際に暇そうだもんな。
思いつく限りのこと全てやっている。
あなたは頭を抱えた。
あなたは椅子の背もたれに寄りかかった。
確かに、私が学校にいる朝から夕方まで、
隼飛くんは1人だ。
散歩や読書だけじゃ限界も来るだろう。
頭を悩ませたその時だった。
ふとあなたの頭の中に1つの案が浮かぶ。
あなたは身を乗り出し、顔を近づける。
隼飛は少し考えるように顎へ手を当てた。
すると隼飛はにこりと笑った。
あなたは気恥ずかしくて、思わず顔を逸らした。
隼飛は不貞腐れて机に顔を突っ伏した。
子供みたいでちょっとかわいい、なんて思ったりして。
ばっと起き上がって、途端に上機嫌になる。
やはり、
この気まぐれ感情ジェットコースターには敵わない。
しばらく考え込んで、
すると隼飛はふふんっと笑って言った。
リビングに大声が響いた。
隼飛楽しそうに肩を揺らしている。
その顔を見ながら、あなたは気づいていなかった。
翌週、風鈴高校の面々が、
この男に盛大に振り回されることを。
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝☆×95













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。