第2話

1話
986
2023/05/28 05:06


初兎side



俺は訳あって別室登校をしている。





一つ息を吸ってから別室の部屋のドアを開ける。


もう慣れた。
有栖 初兎
先生おはようございます
獅子尾 悠佑
おはよう
獅子尾 悠佑
来れて偉いやんか
有栖 初兎
ありがとうございます
この人は獅子尾悠佑、別室の先生。


生徒にちゃんと寄り添ってくれる。










そしていつもと同じ席に座る。


俺の定位置。
獅子尾 悠佑
今日はほとけ来るんか?
有栖 初兎
分かりません

ほとけ、俺はいむくんって呼んでる別室の子。


いつもなら俺よりいむくんの方が先に来てる。



ガラガラ




その時、ドアが開いた。





そこに居たのは、綺麗に整った顔、鮮やかな水色と紫の髪の男の子。





いむくんだ。
稲荷 ほとけ
おはよう!
獅子尾 悠佑
ほとけおはよう
獅子尾 悠佑
遅かったな
稲荷 ほとけ
先生聞いて!
稲荷 ほとけ
今日授業出てきたの!!
獅子尾 悠佑
獅子尾 悠佑
偉いやん!
獅子尾 悠佑
よく頑張ったな〜!
有栖 初兎
偉いやん
稲荷 ほとけ
でしょでしょ!?
稲荷 ほとけ
まぁ、ちょっとは暴言言われたりしたけど…
稲荷 ほとけ
でも僕頑張った!

授業に出る。


そんなこと、いつからしてないんだろう。




別室登校の場合、授業に出るか別室にいるかを選べる。


だから気が向けば授業に出たりする。




有栖 初兎
いむくん、泣いてきたんちゃうん
稲荷 ほとけ
稲荷 ほとけ
なん、で…分かったの…
有栖 初兎
泣き跡があるよ
有栖 初兎
目赤いし
稲荷 ほとけ
……………
稲荷 ほとけ
また虐められてさ…
稲荷 ほとけ
サボりとかも言われたし
稲荷 ほとけ
暴言も言われたし
稲荷 ほとけ
軽く殴られたりもした
獅子尾 悠佑
でも、授業出ただけ偉いやん
稲荷 ほとけ
稲荷 ほとけ
そうだね!

そう。


授業に出ただけで暴言を言われたり


サボりとか、楽してるとか、散々言われる。




正直、それが嫌で授業には一年以上出てない。






それをものともしないいむくんは凄い。


素直に尊敬する。









そんな事を考えながら、鞄から筆箱を取り出して勉強を始めた。



りふ
りふ
この書き方むず…
りふ
りふ
おつりふ

プリ小説オーディオドラマ