第230話

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2023/01/20 03:00
それから、皆で再び昔の思い出や今の仕事、家庭、育児のことを話し合っていた

すると、女Aが帰ってきた

女A「あの、謙杜くん。」

駿「何しに帰ってきたんや?」

女A「私、さっきのこと…謝りたくて…
   どうかしてたわ、ごめんなさい」

謙「もういいよ。大丈夫。怒ってないから」

女A「ありがとう…これで、乾杯しない?」

そう言って、女はシャンパンが入っているグラスを駿と僕に渡す

謙「あ、うん…」

女A「じゃあ、私も」

女は近くにあったお酒を掴み、3人で乾杯して飲む

そして、女Aもまたその輪の中に入り話し始めた

10分後_______

ドクッ ドクッ ドクッ

あれ?何かがおかしい…

体の血が巡って、ヒート前の症状と似てる

でも、抑制剤は念のため飲んできたのに…

なんで?

僕は皆んなの輪から少し離れて息を整える

謙「ッ…はぁはぁ…ッ…すー…ッ…はー」

だめだ。全然整わない…

どんどん酷くなってきている

謙「しゅ…ん…ッはぁはぁ」

駿の元に戻ろうと思っても頭がクラクラして身体が動かない

男E「大丈夫ですか?」

僕の異変を感じた見知らぬ人が声をかける

謙「ッはぁはぁ…だい、じょッ」

男F「なんか、いい匂い…する
   Ωの…いい匂い…」

やばい。匂いが漏れてる…

匂いに気づいた僕の周りを囲む

複数の男の手がぐっと伸びてくる

だめ、逃げないと…

そう思っても動かない。

駿…助けッて

駿「おい。お前ら、触るな」

低い威嚇する声…この声…駿だ

その声を無視して、近づいてくる男がいた

駿「聞こえなかったか?触るな。離れろ」

駿は周りの男たちを声と目で威圧し周りの空気を飲み込んだ

男たちも顔が引きつり後退りしている

駿が僕に近づいてくる

謙「しゅ…はぁはぁ…しゅん…」

駿「ッヒートか…」

駿は誰にも触らせないように僕を胸の中に押し込んだ

女A「あはは。凄い効き目!
   流石、Ωちゃん。誘惑するのがお上手ねぇ…あははは!!」

駿佑side

駿「お前か。薬入れたの」

女A「ふふ。そんな証拠どこにあるの?
   この子が勝手にヒートになったんじゃ無い?だから、Ωは困るのよねぇ」

駿「お前なッ!…ッ謙杜は抑制剤を飲んでた。
薬を盛られないとヒートにはならないはず…お前がやったって証拠はないが。次、俺と謙杜に近づいてみろ…手加減しねぇからな…」

女A「ッ…!!」

駿「謙杜…もう、抑制剤は使えない」

そう、抑制剤は一日に何回も服用したら体に負荷がかかってしまう

駿「スタッフ来てくれ、部屋を借りる。
  鍵持ってきてくれ」

スタッフ「わかりました!すぐ、お持ちします!!」

そして、すぐに空いてる部屋を見つけ鍵を持ってきてくれた

俺はスタッフから鍵を貰い謙杜を抱え、会場を後にした

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