翌日ーーー
今日は遠い街へ行って警備をすることになった。
遠い。そう言っても教会と教会をつなぐ転移ゲートがあるので到着はすぐだ。そのゲートをまじまじと見る椎名がなんだか好奇心旺盛の子供のようで可愛かった。
街に到着するとそこはとても活気に溢れていて、威勢の良い漁師が魚を売っていたり、愛想の良い老婆が野菜を売っていたり、、、
この中で警備は大変だなと思ったけど、売店には能力者ハンター割があるらしいので、頑張れる気がした。
隣にいる椎名も目をキラキラ輝かしていた。
何も起こらないまま日が傾いてきた。なので一度、店で食事をとることにした。
そう言って片っ端から品を頼んでいく椎名。
食べ切れるのかな。不安になったので、私は何も頼まず残飯処理しようと思った。私が何も頼まないのでキョトンと首を傾げている彼女はなんだか面白かった。
しばらくして、注文した品が次々と運ばれてきた。椎名は最初の方は、嬉しそうに頬張っていたがだんだんその手は止まってきた。
そして、予想通り
と言って残してしまった。食べれると思ったんですけどね。と言わんばかりに、てへっと舌を出した。
私が残飯処理を終えた後、夜の警備を始めた。夕方までは活気あふれる街だったが、今はまた別の賑やかさがあった。華やかなワンピースを着こなしている女性、紳士的な服装を身に纏った若い男性。そんなきらびやかに着飾った人々がこの街を彩っていた。
そして、椎名がぼそりと言った。
そう、私達は地味な色の能力者ハンターの制服を着ていて、場違いな気がする。
なので私達は服屋に向かい、夜の警備を続けたのであった。
警備をしているときそんな噂を聞いた。
「ぐさりん」という名前を聞いた時、椎名は驚いたような顔をした。まるで、その子ってまさか。と言わんばかりの顔だったので聞いてみた。
即答すぎる返事に私は少し驚いた。
まるで何かを隠すように言ったからである。不思議に思いながらも、私は真夜中の警備を続けたのであった。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!