第17話

母と娘
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2026/01/25 05:14 更新








Stanley
 へえ…アンタんちデカいな……。 
あなた
 そう…?普通だと思うけど…     







  
  私の家の前に、自転車で送ってくれた

  スタンリーはそう呟く。
  そこまで大きくはない、と思うけど…。



あなた
 …ッ 
Stanley
 ……大丈夫か? 
あなた
 ぁ、…うん、大丈夫 







  たぶん、大丈夫。スタンリーが、なんとか

  してくれる。
  そう祈りながら、インターホンを押した。



.
 『 …はい 』    
あなた
 …もしもしお母さん、あなたです。 





 ( ピッ ドタドタ




  電子音と共に、扉の向こうから走る音が

  聞こえてくる。お母さんだ。そう理解した

  瞬間、身体の穴という穴から嫌な汗が

  噴き出してきた感覚がした。


Stanley
 ………。 







 ( ガチャ



常葉 麻織
 …おかえりなさいあなた。 
常葉 麻織
 さっさと入りなさい 
あなた
 ぁ、…はい、おかあ
常葉 麻織
 最初のご挨拶はそうじゃ 
 ないでしょう?お返事は 
 ご挨拶の後よ
あなた
 ぁ、…ただいまお母さん 
常葉 麻織
 ……で、そちらはどちら様? 






  お母さんが、威圧的な目つきでスタンリー

  を睨む。
  スタンリーは真顔でお母さんを見つめ

  続けて、少し沈黙が流れたあと、静かに

  口を開いた。



Stanley
 あなたさんと同級生の 
 スタンリー・スナイダーです。 
Stanley
 娘さんを送って来ました。 
常葉 麻織
 …あら。送ってもらったの?? 
あなた
 ぁ、いや、 
常葉 麻織
 言い訳はあとで、その前に 
 結論から言いなさい。
常葉 麻織
 「はい」か「いいえ」どちら 
 なの?
あなた
 …はい 
常葉 麻織
 よろしい、言い訳は? 
Stanley
 …娘さんが体調が優れない 
 みたいだったので、俺が 
 "無理矢理"送らせて 
 もらいました。
あなた
 …、!? 









  言い訳は俺が言う、と言っていた…けど、

  まさか、そんな庇い方をしてくれるなんて。

  "無理矢理"を強調したのは、お母さん

  が「送ってくれた」ことに対して不快感を

  持ったのが分かったのだろう。



常葉 麻織
 あらそう、ありがとう。 
 それで遅れちゃったの?
Stanley
 はい。委員会帰りに体調が 
 悪そうにしていたので
常葉 麻織
 そう…ありがとうスナイダーくん 
 うちの娘を丁重に扱って頂いて
Stanley
 ……はは、当たり前のことを 
 したまでです。
常葉 麻織
 じゃああなた、家に入って。 
 改めてありがとうスナイダーくん。 
 さあ、さっさと帰って頂戴
Stanley
 …では、これで 
Stanley
 あなた、またな 
あなた
 ……ありがとう、スタンリー 
Stanley
 …、どういたしまして 





  スタンリーの瞳が、いつもと違うことに

  は気がついていた。でも…



あなた
 ( …お、こってる、? ) 






  彼が怒っているところを見たことがない

  ので、どうなのかわからない。



常葉 麻織
 それであなた。私言いましたよね 
常葉 麻織
 人様に迷惑をかけるな、と。 
 体調不良は甘えですと何回 
 言った?
あなた
 ……数え切れません。 
 ごめんなさい 
常葉 麻織
 あなたのせいで夕餉が冷めました。 
 どう責任を取るの?
あなた
 …つくり、直します 
常葉 麻織
 いいわよどうせ美味しくないから 





    " 料理くらい美味しくして "



常葉 麻織
 ……それで、今日はなにか 
 ありました?
あなた
 …………課題の評価が、A +でした 
常葉 麻織
 それがなにか?当たり前でしょう 
あなた
 …ッすみません 
常葉 麻織
 いいのよ、当たり前をこなすの 
 は素晴らしいことよ











常葉 麻織
 さあ気を取り直して、 
 お食事にしましょう 
常葉 麻織
 私の"完璧なお人形perfect daughter" 





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