いふside
俺には、好きな人がいる。
でも、相手には彼氏がおって…でもそんなある日、
校内を歩いていたら、あなた(好きな人)が裏庭のベンチで泣いているのを見つけた。
あなたは、俺が話しかけたのに気づいて、泣くのを止めようとする。
少し辿々しく答えられる。
そのあなたの隣には手紙が置いてあった。
止められる前に、俺は読んでしまった。
あんなに仲良さそうやったのに、?
俺が諦めるほど仲良かったのに?
有無を言わせない感じか。
最低やな。
俺が諦めていたのが馬鹿馬鹿しいやん
俺がそんな事を言ったら、あなたが驚いたようにこちらを見た。
その拍子に、ポロポロ、とあなたの瞳から、涙が溢れた。
思わずそれに見惚れてしまった。
じゃなくて、!
あなたが俺の言葉を聞いて、ポロポロ、とまた涙が溢した。
俺の言葉にあなたが少し笑う。
やっぱり、あなたは笑ってる方が合っていると思う。
そこから、数秒の沈黙が流れる。
何か話した方がええんやろうな…と思い、口を開こうとしたら、
我に帰ったのか、あなたは申し訳なさそうに言う
いふくんが迷惑じゃ…
そんな言葉が続けて聞こえそうな気がした。
俺の言葉にまた、ポロポロと泣き出すあなた。
抑え切らなくなったのか、声を上げ始める。
そんなあなたの、頭をおそるおそる撫でる。
そりゃ…好きな人に嫌われて来ていても信じたくなんて無いよな。
そんな思いが沸いてくる。
俺なら絶対…あなたの事、大切にするのにな…。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!