夢主side
家に帰ってから、まじまじといふくんのお返しを眺める。
でも…飴は…?
マシュマロと飴だから中和して普通の友達辺りって事?
でも…飴だけも入ってたから、好き?
こんな時…前もそうだったけど、少しの希望にかけてしまう。
前回は…それで失敗しちゃったけど。
翌日、学校
いふくんの返答の意味が気になりすぎて…寝れなかった。
今ここで問い詰めて、答えを聞きたいけど…怖い。
だから…聞けない。
いふくんの優しさを感じながら、私は準備を進めた。
いつもと同じ対応。
それは…中和の友達だって事を示すんだろうな…
と、腑に落ちるところがあった。
体育の時間
辛い…、
何故か運が悪いことに…今日は長距離走。
あと半分位あるのに…体力が持たない。
フラッ
一瞬体が傾いて、驚きと共に体を戻す。
なんか…目眩がしてきた…、
いふくんが心配して、私に声をかけてくれる。
…けど、男子のレーンは違う。
多分…レーンを外れて来たみたい
そう答えている間に、また倒れそうになる。
それを、いふくんが支えてくれた。
心配していたのはいふくんだけじゃ無かったのか、悠佑くんもこちらに向かっていた。
そう言って悠佑くんは走って先生の方へ向かう。
いふくんがそう言って私を持ち上げる。
なんか…こういう事をされてちゃうと…、
また、いふくんは私の事好きなんじゃないかって、思っちゃうじゃん…。
結局、私が倒れそうになった原因は寝不足で、
とりあえず今日は家に帰る事になった。
放課後…、
家に帰ってから布団に入ったら速攻で寝てしまった。
私…好きすぎていふくんの幻聴が聞こえるくらいになっちゃったみたい。
ストン、と私の寝ているベットに座るいふくん。
どうやら…本物らしい。
プリント…?
でも…いふくんの家って私の家と真逆…。
そう言いながら、いふくんの隣に座る。
いきなりの質問に…私は戸惑う事しかできない。
でも…聞いちゃった方がいいんじゃない?
前回も聞かなくて後悔したんだよ?
返答が…嫌いかもしれないけど…、
私の中でそんな葛藤が生まれる。
でもやっぱり…聞いた方が良い。
たどたどしくだけど、どうにか聞けた。
でも、返答が怖くて俯いてしまう。
なまえを呼ばれて、顔を上げる…と、
額に、キス…された。
私が戸惑っている間に、
耳元で、いふくんがそう言った。
嬉しすぎて、言葉が声になっていなかった。
私に差し出された手。
答えは…決まっている
嬉しさが、胸いっぱいに広がる。
それとほぼ同時に、
控えめに、いふくんから聞かれる。
私はゆっくり頷き…瞼を閉じる。
そして…ふたつの影が、夕日に照らされながら…重なった。
大人組「遅っ」
大人組+ひすい「おついれ!!」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。