第2話

一日目 。
245
2025/10/08 12:21 更新


何も知らされないまま言い渡された 、
初めての 「死神のバディ」 としての任務 。


ぐちつぼは私の不安を一切察することなく 、
現場に着くなりあっけらかんとした調子で言った 。

gt
ほら 、アイツ 。倒してきてくれ


…… 説明 終わり?

あなた
 … え 、は?まって 、倒せって … 
私手ぶらなんだけど ?!


戦闘慣れしているとはいえ 、
さすがに素手は無理がある 。


それも … あんなおぞましい生物相手に 。

目の前にいるのは どう見ても人間じゃない 。
黒いもやをまとった 、異形の化け物 。


牙がやたらと光って 、
ぐちつぼの4倍ほどはあるだろう大きさ 。


普通の人間なら悲鳴を上げて逃げるところだ 。


なのにぐちつぼは 、
ポケットに手を突っ込んだまま退屈そうに欠伸していた 。

gt
はいはい … 武器があればいいんだろ 、ほら 。


そう言って彼は 、
どこからともなく取り出した大鎌をこちらに突き出す 。

gt
これ貸すから 、好きにしろよ 。


先程までの明るいテンションとは打って代わり 、
だるそうな声で私に丸投げしてきた 。

あなた
イヤこれあんたの仕事 、 はぁ …
相棒って互いに助け合ったりするもんじゃないの?


軽く嫌味を言いながらも 私は鎌を握りしめる 。

触れた瞬間 、身体にスッと馴染むような感覚が走った 。


これが私の力 、どんな武器でも扱える能力 。

おかげで長年使っていた武器のように鎌を振り回せる 。


斬撃が決まる 、確かに当たっていた 。
でも … 効かない 。


化け物はぐらりと揺れるだけで 、
何度切りつけても立ち上がってくる 。

あなた
 … ッ 、キリがない … !!


鎌を振る腕は疲れてきてるし 、汗も額を伝う 。


苛立ちが声に漏れた そのとき 、
背後からのんきな声が降ってきた 。

gt
もういいか … そろそろ交代 、
返してくれよ ソレ 。
あなた
は …?!


振り返るより早く
私の手から鎌がひょいっと奪い取られる 。


ぐちつぼは肩に鎌を担ぎ直し 、
私の前に出て

gt
おりゃあ!!!!


爆音の掛け声と共に地を蹴った 。

次の瞬間 空気が裂けるような鋭い一撃 。


化け物は声にならない悲鳴を残して 、
煙のように掻き消えた 。



たった一撃 、なのに ……

あなた
 …… マジ?


私は口をぱくぱくさせながら 、
短く言葉を漏らすことしかできなくなる。


そして ようやく声を振り絞ることができた。

あなた
 … 私にやらす必要なかったよね 、コレ


出てきたのは呆れも混じった諦めの言葉 。

頭の中で文句がとめどなく溢れてくる 。

gt
まあまあ 、
初めてにしては良かったんじゃないすか ?


ぐちつぼは語尾を上げて煽るようにそう言った 。


正直色々言いたいことはあったが 、
先程の戦いで体力を消耗しすぎた 。


もう疲れて何も言う気になれない 。

深くため息をついてから 、
ぐちつぼの頭にチョップを落とした 。

gt
イッテェ?!


講義の目を向けられていたが 、
気付かないフリをして耳を塞ぐ 。


まだ一日目だけど私 、
コイツと上手くやってける気がしません 。


初任務はこうして
派手に空回りをして幕を下ろした 。


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