任務が終わった翌日 …
翌日と言ったが 、戦闘中に日付を跨いだ後 。
アイツと別れて帰路につくが 、何せ体中が重い 。
夜明け前に化け物を斬った鎌の感触が
まだ腕に残っている 。
私は家のドアを開け 、
靴を脱いだ瞬間 … 固まってしまった 。
家の中には 、リビングのソファに
当然の顔をして座っている奴がいた 。
黒い線で繋がった白い花の尾を持つ死神 、ぐちつぼ 。
足をテーブルに投げ出して
優雅に雑誌まで広げていた 。
思わず顔を顰めながら聞くと 、
彼は肩を竦めて「何がいけないんだ」といった顔をする 。
手に持っていた荷物を床に投げ捨てて 、
彼を追い出そうと距離を縮める 。
だが 、ぐちつぼは悪びれもせず
逆にソファに深く腰かけてため息をついた 。
ケラケラと笑いながらそう言うぐちつぼは
とてもじゃないが 、
労る気持ちを持っているようには見えなかった 。
ついムッとしてしまうが 、
コイツのペースに乗せられるのは癪だ 。
嫌味のつもりで言った言葉も
軽く流されてしまう 。
ああもう 、コイツと会話したって
無駄に神経を逆撫でされるだけだ 。
意地の悪い笑みを浮かべ 、
嘲笑うような表情をするぐちつぼ 。
彼はきっと私のことを 、
叩けば音が出るおもちゃか何かだと思っている 。
否 、絶対に気の所為なんかではない 。
態々否定するまでもなく 、からかってるその目 。
絶対に私のことを
退屈しのぎくらいにはなるおもちゃだと思ってる。
怒鳴りたくなる気持ちをぐっと抑え 、
アンガーマネジメントの6秒ルールを思い出す 。
実際 、私が必死に戦っても
傷一つ付かなかった相手をぐちつぼは
片手間のように一撃で仕留めてしまった 。
実力は私より遥かに上であろうことが 、
余計腹立たしい 。
軽く笑いながらそう言ったぐちつぼ。
私は6秒ルールなぞする暇もなく 、
気づいたらクッションを掴んで投げつけていた 。
彼はうぃ〜なんてウザったい声を出しながら軽々と避け 、
またニヤリと目を細めた 。
やはりどこか癪に障る 。
だが、常識の通じないコイツを相手にする
アホらしさを感じ始めて 、もう何もしなかった 。
私が戦わずとも良くなるためには 、
この男がさっさと私に飽きてくれるのが
一番楽なのだろうか … ?












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。