校舎の廊下やらベランダやらから、多くの生徒達が外の様子を見てざわめいている。
無反応の春の横で、紅葉がヒラヒラと手を振る。
一方でアクアは、ルビーと正面を向き合って顔を顰めていた。
ルビー達が立っていたのは、校門から1mほど離れた路上だった。
ルビーが人差し指を立てる。
【透side_数分前】
クラスメイトが夾と由希に話しかける。
嘘をつく二人。
そして顔に出すぎる透。
その直後、キイィィィンと、甲高いハウリング音が透達の耳を突いた。
その大声と同時に、校内がざわめきで満ちた。
紅葉と撥春が由希の教室目掛けて手を振る。
透達の間に緊張が走る。
『さっきのことは誰にも言わないので』
『口外しないって言いましたよね』
透がルビーの言葉を思い出して、俯いた。
そう言い終えると、ルビーがくるりと一回転し、ピースサインで決めポーズをした。





























編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!