親愛なるクラスの人達へ
今まで本当にありがとう。僕は今、新たな世界へと旅立とうとしています。これは卒業の文章ではなくて、僕がみんなに伝えていなかったこ
……………
もう書けないや。
僕は余命0日なので死にます?馬鹿馬鹿しい。どうせ冗談冗談マイケルジョーダンと小馬鹿にされて終わるんだ。誰にも言わず、勝手に死んで仕舞えば良い。そうも思えるようになった。
ふと視界に横にある写真立てが入り込んだ。
あの子とは幼い頃からずっと一緒で…
過去を思い出す前に,反対側の手で写真立てをドタンと閉めた。
本当は、あの人が気がかりで仕方が無いんだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!