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第1話

残像
11
2024/05/18 09:00
 医者から余命宣告をされたのは3ヶ月前。
僕は全てを悟った。今にも取り乱しそうなくらいの手と脚にぐっと力を入れたって顔は真っ青だった。両親は泣き崩れ、医者は覇気のない視線を床に向け、謝罪の言葉を吐いた。

 大体、自分がこの人生で優遇されない人種なのは随分と前から知っていた。生まれつき病弱で、少し風邪をひいたら即入院だった。病院の先生が僕のことを常連客と呼んでいるのも聞こえていた。趣味は読書、特技は勉強。オワコンだ。

ただ…せめてこんな僕を支えてくれた数少ない友人には感謝を伝えなければな、

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