第544話

🇺🇸535
4,210
2024/09/06 04:14 更新
あなたちゃんが部屋に戻ってきたのは

20分後のことだった




(なまえ)
あなた
お待たせっ
テヒョン
テヒョン
テヒョン
あなたちゃんっ
テヒョン
テヒョン
遅かったから心配したよ
(なまえ)
あなた
ごめんね
(なまえ)
あなた
えっと…
(なまえ)
あなた
ホビオッパの部屋分かんなくなって
結局迷っちゃって…



なんだか気まずそうな顔で

“迷った”と言ったあなたちゃん



でも…

一直線の廊下をチラ見した時

彼女の姿がすぐに消えたことを僕は知ってる



迷っていたなら

尚更廊下から姿が消えたのは不自然じゃない?




テヒョン
テヒョン
ねぇあなたちゃん?
(なまえ)
あなた
な、なに?
テヒョン
テヒョン
ほんとにホビヒョンの部屋行った?
(なまえ)
あなた
え…?




質問はちゃんと聞こえてたはずなのに

返す言葉を探す感じの『え…?』




何もなければ

こんな反応にならないよね?





テヒョン
テヒョン
じーっ…
テヒョン
テヒョン
あやしい…





僕わかるよ



嘘をつくのが苦手なあなたちゃんだもん



こういう反応する時は

僕に何か隠したいことがある時




そして僕も僕で

変に勘が良いから困る





テヒョン
テヒョン
もしかして
テヒョン
テヒョン
ホビヒョンじゃなくて
他のメンバーの部屋
テヒョン
テヒョン
行ったりした…?




廊下から短時間で姿が消えた理由




それは


“僕の部屋から近い別の部屋に入って行ったから”


これだと思った





だとしたら…



思い当たる1人のメンバーの顔が頭に浮かんだけど

そこまでは口に出さずに

あなたちゃんの返事を待つことにした





でも


(なまえ)
あなた
…えっと…その…





あなたちゃんは“どうしよう”って表情のまま

僕を見つめるだけで

相変わらず言葉に詰まっている




これは

予想が的中したパターンかも





テヒョン
テヒョン
怒らないから
テヒョン
テヒョン
教えて?
(なまえ)
あなた
う……




本当のことが知りたいだけ



いや、本当の本当は

予想が当たったらヤキモチ爆発すると思うけど



 
“何を聞いても絶対に怒らない”


それを心に誓って

極力優しい声で話しかけ

あなたちゃんの顔を覗き込んだ



そしたら

眉毛を下げた困った顔で

おずおずと僕と視線を合わせてきた




(なまえ)
あなた
あ、あのね…
テヒョン
テヒョン
うん
(なまえ)
あなた
な、何も聞かないでほしいの…
テヒョン
テヒョン
え?



本当のことを話してくれると思っていたら

『何も聞かないでほしい』


まさかの返事だった



(なまえ)
あなた
ごめんね…
(なまえ)
あなた
テヒョンが心配するようなことは
何もないから
(なまえ)
あなた
だから
もう何も聞かないでくれたら嬉しいな…




どういうこと?


意味が分からなくて

今度は僕が困る番だった



テヒョン
テヒョン
僕に知られたくないこと…なの?
(なまえ)
あなた
う、うん…
テヒョン
テヒョン
でも
心配しなくて大丈夫なの?
(なまえ)
あなた
うん…





“何かを隠してる”


“でも心配しなくていい”



これ以上聞かないでって言われても

こんなこと言われたら

逆に気になるんだけど




(なまえ)
あなた
お願い
テヒョン
テヒョン
………




さらなる追求が

今にも口から飛び出しそうな僕の手を

きゅっと握ってくるあなたちゃん




困った顔のまま

じっと僕を見上げている




数秒


言葉がないままお互いを見つめあった




そして






テヒョン
テヒョン
ふぅ…
テヒョン
テヒョン
分かったよ
テヒョン
テヒョン
もう何も聞かない




僕はやっぱり彼女には勝てない



だって

あなたちゃんからの“お願い”だもん



正直

知りたくて知りたくて仕方ないけど



“僕が心配するようなことはない”


あなたちゃんのこの言葉を信じることに決めた




(なまえ)
あなた
ありがとうテヒョン
テヒョン
テヒョン
本当は知りたいけどっ
テヒョン
テヒョン
あなたちゃんのお願いだから
我慢する…
(なまえ)
あなた
ご、ごめんね
テヒョン
テヒョン
いいよ





そう言って

僕はあなたちゃんをぎゅっと抱きしめた



腕の中に簡単に収まってしまう華奢な身体




好きだって思った





テヒョン
テヒョン
……………





彼女を抱きしめながら

感情を整理する



 
もう何も聞かないって約束を守る為に

僕は忘れることにした




ここから1番近い部屋が

ジョングギの部屋だってことを






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