体を潰された。骨が砕かれ、肉が潰れた音がした
それなのに、私はまたここに戻ってきた
母の穏やかな横顔も、父の緩んだ笑顔も。見慣れたそれは、私にとってもう遠い過去のような気がした
ぐちゃり
砕けた硝子の破片が飛び散って、顔や体 全体に突き刺さる。眼球が潰され、それを突き破って鼓膜に達した。何も聞こえないし、見えなかった
口は頬を貫通していて、ズタズタで何も言えなかった
痛い、痛い…痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい
今まで生きてきた中で、感じたことのない激痛に、のたうち回ることも出来ずにいた
…イタイ、けれど
私がもっと早く言えれば、私がもっと前に戻れていたら。私が、私が…二人のことを、助けられたら
頭の中でブツリ、と千切れた音がして。私の意識は完全に途切れた
……
……
……
それと同時に、私の中で何かが変わった











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!