私は首がもげるくらい頷いた。
一応自己紹介の時に
黒板に書いて貰ったんだけど…(((
私はまた文字を指して名前を伝えようとした。
石神くんはそう言って私にノートを差し出した。
あ、でもこれ石神くんのじゃ…?
なるほど…?
お礼を言ったものの、「おー」と素っ気なく返された。
私は改めて丁寧に書いた。
『芽蕗 あなた』
それを見た石神くんは
「ふーん。」と短く言って、少しだけ口角を上げた。
名前を呼ばれた。
それだけなのに、変に意識してしまう。
石神くんにお願いされた。
初めての『役目』。
そう考えるととても嬉しくなって、
にこにこで本を取りに行った。
私はドヤ顔で石神君の前にぽん、と置いた。
石神君はそう言って笑っていた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!