その日から、
私たちの関わりは、少しずつ増えていった。
図書室だけじゃ足りなくなって、
放課後は石神くんの家に行くようになった。
石神くんの保護者?の白夜さんには
とてもよくして貰って、すごく仲良くなった。
最初は、本を運ぶだけ。
道具を渡すだけ。
ノートに書かれた数字を写すだけ。
それでも、石神くんは言った。
私たちの中での会話はほぼない。
私は言われた事を淡々とこなすだけ。
公園に行って、実験をすることもあった。
実験をしていたら爆発して、
通行人の人に通報されそうになったこともある。
石神くんの机はいつも散らかっていた。
薬品の匂い。
焦げた跡。
私には全くわからない図。
調べて、考えて、実験して。
失敗して。
そう言いながら、
また最初からやり直す。
勿論、成功よりも
失敗の方が多かった。
爆ぜる音に驚いて、
二人して顔を見合わせたこともある。
真っ黒になった石神くんを見て、
笑いそうになって、
でも声は出なくて。
その代わりに、
ニコッと笑って見せた。
石神くんは、
「なんだよ」と言いながら、
ちょっとだけ、楽しそうだった。
大樹くん、という新しい仲間も増えた。
白夜さんをNASA?の試験に合格させるために、
3人で学校の人体模型を盗んだこともあった。
気づけば、
そんな日々が日常になっていた。
小学校6年生の夏、
卒業もしていないけど、
私は引っ越すことになった。
お父さんとお母さんが離婚したから。
でも、
両親はどっちも親権を拒否した。
私が喋れないからだろう。
小学6年生だった私はそんなことすぐに分かった。
そうして私は、
父方の祖母に引き取られることになった。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!