駿佑side
夜12時。
きっと寝とる人も居れば、寝とらん人もおるやろお。
けど、7時とかに出るよりは全然マシ。
俺は自分の荷物を持って、部屋を出た。
『ありがとう』
心の底から感謝しながら。
謙杜side
夜の12時。
俺はまだベッドの上でゴロゴロしよった。
ガチャ
急に隣からそんな音が聞こえる。
、、、みっちーの方から。
「もしかして」
焦りがだんだん大きくなり、勢いよく部屋を出た。
誰がどんなことをしてるかなんて分からんかった。
けど俺は無性にみっちーの名前を呼びたくなって、そう叫んだ。
信じたくなかった。
この状況を。
自分の弱さを。
部屋を出ると、みっちーがスーツケースを転がしながら反対方向に歩いて行っとった。
、、、出口がある方に。
『みっちー!!!』
そう叫ぶと、一瞬みっちーの足が止まった気がした。
けどそのつま先は方向を変えず、また動き出した。
なんでやろ、、、言葉は出したい。
出したくてたまんない。
けど、、
出したくなかった、
涙が出てきた。