第94話

🍼
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2023/02/01 21:00

恭平side


ドア越しから



『みっちー!!!』



そう叫ぶ謙杜の声が聞こえた。





急いで部屋を出ると、俺は、





涙目になっとる謙杜と、






俺らのいない方向に向けてスーツケースを転がすみっちーがおった。






.    高橋
. 高橋
みっちー!!!



俺も謙杜みたいにそう叫んだ。




もしかしたら謙杜も同じ気持ちやったんやないかって。












けどそれ以上に、




みっちーに止まってほしかった。



もしここで止められんかったら、、もう永遠に会えない気がした。





.    道枝
. 道枝
、、、



けどそんな俺の願いは届くことなく、下を向きながらみっちーは歩いていく。







怖い。





みっちーと離れることが。








嫌だ。







みっちーと離れることが。






そう思うと、がむしゃらにみっちーの方に走り出した。





.    高橋
. 高橋
なぁ!!
みっちーの左手を掴んだ時、そう叫んだ。







ここで名前を呼べなかった。





そんな勇気、俺にはなかった。





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