童磨『俺は子供の頃から優しかったし、賢かった。』
童磨『可哀想な人たちをいつだって助けてあげたし、幸せにしてあげた。それが俺の使命だから。』
父『この子の瞳の中には虹がある。白橡の頭髪は無垢な証。この子は特別な子だ。』
母『きっと神の声が聞こえてるわ。』
童磨『俺の親の頭の鈍さは絶望的だった。』
童磨『そうでなければ極楽教などというつまらない宗教作れないけど。』
童磨『可哀想だったので、いつも話を合わせてあげてたなあ』
童磨『神の声なんて一度も聞こえなかった。』
童磨『初めはよってたかって崇められ、祈られ、流石に困ってしまった。』
童磨『子供相手に泣きながら「苦しい」「辛い」「どうしたらいい」と言ってくる大人に頭は大丈夫かと心配になる。』
童磨『欠伸の出るような身の上話をした後、「どうか極楽に導いて欲しい」と頭を下げられた。』
童磨『俺は泣いた。可哀想に、極楽なんて存在しないんだよ。』
童磨『人間が妄想して創作したお伽話なんだよ。』
童磨『神も仏も存在しない、そんな簡単なことがこの人たちは何十年も生きていてわからないのだ。』
童磨『死んだら無になるだけ、何も感じなくなるだけ。』
童磨『心臓が止まり、脳も止まり、腐って土に還るだけ。生き物である以上須らくそうなる。』
童磨『こんな単純なことも受け入れられないんだね。頭が悪いとつらいよね。』
童磨『気の毒な人たちを幸せにしてあげたい、助けてあげたい。その為に俺は生まれてきたんだ。』
童磨『うーん、五回目。これも駄目だね、効かないや。』
童磨『どんどん効かなくなってくるね、あと何回毒を調合できるのかな?』
童磨『ああ!もう息が続かない?汗が凄いな、大丈夫?』
しのぶ『これが…上弦の強さ、、悉く毒が効かない。耐性がつくまでの早さが異常だ!』
童磨『肺胞が壊死してるからね、つらいよね。さっき俺の血鬼術吸っちゃったからな』
しのぶ『凍てついた血を霧状にし扇で撒布する…呼吸をすること自体に危険が伴う。』
しのぶ『連撃で大量の毒を打ち込む。』
しのぶ『蟲の呼吸 蜻蛉ノ舞 複眼六角!!』
童磨『いやあ君、本当に速いね!今まで会った柱の中で一番かも』
バッ !!
しのぶ『斬ら…れた……!』
童磨『毒じゃなく、頸を斬れたら良かったのにね。それだけ速かったら勝てたかも。』
童磨『あー!無理かあ、君小さいから』
しのぶ『…なんで私の手はこんなに小さいのかなあ』
しのぶ『なんでもっと身長が伸びなかったのかなあ』
しのぶ『あとほんの少しでも体が大きかったら鬼の頸を斬って倒せたのかなあ…。』
しのぶ『手が、足が長ければ長いだけ筋肉の量も多いわけだから有利なのに…。』
しのぶ『姉さんは華奢だったけど私より上背があった。』
しのぶ『悲鳴嶼さんいいなあ……。あの人が助けに来てくれたら皆安心するよね。』
しのぶ『姉さんがあの時言おうとした言葉を私は知ってる。』
しのぶ『「多分しのぶはあの鬼に負ける」そう言おうとして、やめてくれたんだよね…。 』
カナエ『しっかりしなさい、泣くことは許しません。』
しのぶ『姉さん…』
カナエ『立ちなさい。』
しのぶ『立てない、、失血で…左の肺もざっくり斬られて息もできないの……。』
カナエ『関係ありません、立ちなさい。蟲柱・胡蝶しのぶ』
しのぶ『……!』
カナエ『倒すと決めたなら倒しなさい、勝つと決めたなら勝ちなさい。』
カナエ『どんな犠牲を払っても勝つ。私ともカナヲとも、約束したんでしょう。』
しのぶ『カナヲ…』
童磨『ごめんごめん、半端に斬ったから苦しいよね。』
カナエ『しのぶならちゃんとやれる。頑張って。』
童磨『え、立つの?立っちゃうの?えー…』
童磨『君ホントに人間なの?鎖骨も肺も肋も斬ってるのに。』
童磨『君の体の大きさ…その出血量だと死んでてもおかしくないんだけど…』
ゴフッ ゴロゴロ …
童磨『あっほらー!!肺に血が入ってゴロゴロ音がしてる!想像を絶する痛みだろう…。俺がすぐに首をストンと落としてあげるから無理しないで!』
童磨『君はもう助からないよ、意地を張らずに。』
しのぶ『狙うならやはり急所の頸!頸に毒を叩き込めば勝機はある、!!』
しのぶ『蟲の呼吸 蜈蚣ノ舞……百足蛇腹!!』
童磨『四方八方にうねる動き、橋を割る程の踏み込み!速い!攻撃が読めない』
ヒュンヒュンッ
童磨『低い!!』
しのぶ『……ゔっ!!』












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。