ある日出会った少年2人に慕情を抱かれ、あれよあれよと時は過ぎ、晴れてお付き合いをすることになった24歳の冬。
月日はあっという間に経ち、季節は秋手前。
大学生になった社と初は、相変わらず人気のようだ。
(そりゃあ、自分と同じ学科にあんなイケメン2人がいたら嬉しいよな…)
しかしながら、残念なイケメン2人だとつくづく思う。
世の中には可愛い女性が沢山いるというのに、こんなちんちくりんな男を好きになるなんて。
俺を挟むように座っている2人に問えば、不満そうな顔をする2人。
2人と恋人になって以降、さらに2人のことが好きになっているのは確かだ。
しかし、綺麗な女性を見ると劣等感を感じてしまう。
女性はメイクや可愛い服で勝負できるが、俺はそんなことできない。
お洒落に気を遣っているわけでもないため、女性に敵うことがない。
唯一自慢できるところがあるとすれば、朝顔色の瞳と名前だ。
それ以外は女性と釣り合うところはないだろう。
(…まずい…なんか気まずい雰囲気になってしまった…)
俺が喋った後、口を噤み黙り込んでしまった。
しんと静まり返る部屋。
静寂な雰囲気に耐えられず声を上げる。
こんな雰囲気にさせたかった訳じゃあない。
ただ、自分がこんなに幸せで良いのか確認したかっただけだ。
(昔はこんなに繊細じゃなかったのにな…)
恋をすると心が脆くなるようだ。
周りと比べてしまって自己嫌悪に陥ってしまう。
最近は悩み事や考え事も増えた。
大学で女子に告白されているんだろうなとか、女子に話しかけられた時どんな態度で話してるのかな、とか。
そんなことをいちいち聞けるはずもなく、結局自分の中で消化しきれずぐるぐると悩みの種になっている。
(絶対面倒くさい奴だって思われてるよな…)
2人と恋人になる前までは、こんな感情に一切ならなかったのに、日に日に心が脆くなっているように感じる。
(あー、こんなこと言うとかウザすぎるだろ…)
自分がもし言われたら100%ドン引きだ。
自分がこんなに面倒くさい男だったとは。
改めて自分の性格の面倒くささに気づき、更に気分が下がる。
しかし2人の方に顔を向ければ、嬉しそうな顔をしていた。
予想外の2人の言葉にみるみる顔が赤くなる。
(俺…嫉妬してたのか…?)
2人に言われて、初めて自分が嫉妬していることに気づいた。
今思えば、2人と過ごす時間の多い大学生の女子が"羨ましい"と思った時点で、嫉妬していたのかもしれない。
ひょいと抱き上げられ、社の膝の上に乗せられる。
頰を優しく撫でる手が暖かく、自然と頰を擦り返せばくすりと笑った。
俺を奪うようにして抱き寄せた初。
そのまま近づく唇を抵抗することなく受け入れる。
嫉妬した社が腕を引き、噛み付くようなキスをされた。
(キス…すげぇ上手くなってる…)
とろけるように熱いキス。
舌を絡められ、吸われる感覚に舌が痺れて気持ちいい。
耳元で囁いた初の声にぞくりと身体が震える。
2人の甘い雰囲気に呑まれ、素直に呟く。
実際、2人に見合うような恋人になりたくて努力をしていた。
俺の相棒と言っても過言ではなかった夕飯のお供、カップラーメンを買うのを止め、なるべく自炊をすることを心がけたし、身体のラインにメリハリを付けるためにストレッチも始めたのだ。
こっそり始めていたつもりだが、恋人にはバレバレのよう。
恐る恐る尋ねれば、2人が顔を真っ赤にした。
そのまま挟まれるように抱きしめられる。
同時に耳元で囁かれた言葉。
素直な2人の言葉にきゅんと胸が鳴る。
はっと興奮した様子で息を吐く2人。
(そういえば…初も社も、あの日以来手出してない…)
高校生だった2人に襲われかけたあの日以来、一度もベッドに押し倒されたことがない。
あの日の約束をずっと守っているのだ。
しかし、もう2人は大学生。
(やっぱり…そういうことしてぇんだろうな…)
性行為が全てではないことは分かっている。
それでも、好きな人のことをもっと知りたいと思うのは、人間の性なのだ。
俺も、2人のことをもっと知りたい。
もっと深くまで…もっと…もっと…__
__
耳元で囁き返せば、目を見開く2人。
しかしすぐに獲物を捕らえる肉食獣のような顔付きに変わった。
(ぁ…食われる…♡♡)
そう思った時には既に、ソファに押し倒されていた__
お久しぶりです〜!!
初と社の大学生も始まりました〜!!
こちらの作品も続きますので、投稿頻度は遅くなりますが、見守っていただけると嬉しいです。
次回の内容なのですが、R-18タグを付ける内容にするか、その描写を飛ばした回にするか迷っています。
是非皆様のご意見をお聞かせ下さい〜!!
アンケート
次回、どっちにするべき?
R-18描写をがっつり書こう(性的描写あり)
96%
描写は飛ばして事後から書こう(性的描写なし)
4%
投票数: 169票
宜しくお願いします〜!!
いいね、お気に入り登録、コメントありがとうございます〜!!
次回もお越しください〜!!












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。