第11話

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2025/09/19 10:00 更新
















かくして、パーティーが始まった。

ツバキは挙動不審にながらも怪しまれないよう、料理を頂いたり、少しだけお話をしたりと過ごしている。


あなた
(今のところは特段不審人物無しか)


葵
あなたの偽名ちゃん楽しくなさそーだねー?

ヒョコリ、背後から声をかけてくる。

あなた
まあ仕事ですからね

というか逆に此奴は何故ここまで満喫している?
普通に美味しく料理頂いてんなよ手前。


葵
一応俺たち客人設定なんだし、楽しまないと怪しまれるよ〜?

あなた
…ドリンク頂いてるので大丈夫です


私が顔を背けて言うと、神尾は「あそーう」と
適当な返事をして、他のところへ目を向けた。





あなた
……


…此奴が背後に立つ時、私はいつも反応が遅い。

いきなり声をかけられて驚くことは無いが…何時もの私の反応速度ならば、背後に立とうとした時には振り返ることが出来る筈なのだ。


あなた
(…改めて、矢張り此奴はヤバいな)


一つ溜息をつき、ツバキの方へ目を向ける。
壁の方で一人寂しくドリンクをちびちび飲んでいた。


あなた
……なんつー哀愁漂う光景。


一人で居させて殺されては困るので、
私は仕方なくツバキのいる方へ行った。


















ツバキ
……

あなた
勝手に命狙われて、ほんと大変だね

ツバキ
!あ、あなたの偽名さん…


ツバキは私を一度見ると、
直ぐに目を逸らして床を見る。

殺し屋に狙われているのもあるだろうが、
元々他人と話すことが苦手なのだろう。

先程から誰と話していても視線が微妙に合っていない。



あなた
…ねえ、一つ聞きたいんだけど

ツバキ
はい…



あなた
『スイ』は、何で殺し屋に狙われてんの?





ツバキ
!


下を見つめていた瞳が開かれる。


あなた
…それは知ってる顔か

ツバキ
……ええ


ツバキは小さな声で話し出す。

ツバキ
……あの会社、裏社会の取引で生計を立ててるんです


……おいおいマジか…。
あなた
あの会社、って……
 
あなた
探偵社に依頼してきた、あの父親?



ツバキ
そうだと思います。恐らく殺し屋はその情報を仕入れ…『スイ』を殺害し、それを因果にその裏取引をやめさせようとでもしているのでしょうね


……待て。それは、つまり、…

あなた
…悪いのは殺し屋というより…、会社?
ツバキ
その通りです。

…即答か。相当怒り心頭だな、これは。


あなた
そんなに言うって事は貴女、もしかして家に戻りたく無いんじゃない?

私がなんとなく思ってそう言うと、
彼女は自嘲気味に「そうですね」と呟く。

ツバキ
嫌いなので。ああ言う、格好悪いオトナ。

あなた
…

彼女は顔を上げて、目を細めながらそう言い切った。

私は彼女の整った色白の横顔を見る。

あなた
……ふぅん…




これはこれは、おもしろい女に出会ったようだ。

















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