私の入社試験から、一夜明けた翌日。
なんと神様が珍しい私の努力を認めてでもくれたのか、
本来のターゲットである神尾葵が声をかけてきた。
キラリと耳元のピアスを光らせながら、
ニッコーと笑いかけてくる。
…コイツ、一応今回の調査標的ではあるんだが………
………普通に嫌なんだよなこの男と関わるの。
……なんか滅茶苦茶腹立ってきた気がする。
…此処はブラック企業か何かなのか?
シックで控えめながらも所々に宝石の付いた、
真っ黒で謙虚ながらも煌びやかなドレス。
見掛けだけは良い私にピッタリだね。
いえーい、と指をパチンと鳴らす仕草がウザすぎる。
適当だこの男……
艶々と輝く綺麗な長い茶髪をハーフアップにして、結び目には大きなピンクのリボン。真っ白な長い丈のパーティードレスに身を包み、裾の隙からは細い足と腕が見え隠れしている。
典型的なお嬢様、といった感じだな。
「依頼人の スイ 様ですね」
そう言おうとしたとき。
にっこり。普段と何ら変わらぬ口調でそう言った。
私は思わず声を出す。
彼女の方を見ると、彼女は気弱そうな顔を更に不安に沈ませた。
何だこの表情は。真逆本当に違うというのか。
彼女がそう言うと、神尾が口を開く。
「違いますか?」神尾は聞く
矢張り常人のものでは無い。
優秀なその気質が、お前がエリートスパイであることを
裏付ける証拠となるんだよ、神尾葵。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。