童磨様に抱かれながら帰っていると、鬼狩りに会った。
邪魔しないでよ……
私が童磨様と静かに過ごしていたのに……
鬼狩りは刀を振りかざして私たちを襲ってくる。
いつもなら、童磨様が守ってくれるからと思って黙ってじっとしているのだけれど、今日は違った。
私と童磨様の時間を邪魔された事が、不快で仕方がなかった。
この人に対する嫌悪感が、私の身体を支配した。
本当に腹が立つ
どうして………どうして邪魔をするの?
せっかく童磨様が私だけを見てくれているのに
腕に力を込めて童磨様に抱きついた。それと同時に、体が燃えるように熱くなって、私の周りに小さな金魚が何体も現れた。
その金魚たちは皆鬼狩りの方に向かっていき、ぐるぐると回りながら斬撃を入れようとしていた。
童磨様はその金魚たちを見て言った。
童磨様は私を抱いたまま一瞬で鬼狩りに近づき、扇を振り下ろした。目で追えないくらいの速度で、とても正確で、冷静だった。
鬼狩りは一瞬で地面に倒れた。
血の匂いにも、死体にも、もう慣れてしまった。
童磨様はニコニコしていた。すごいのは童磨様で、私は何もすごくない。
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それから屋敷に着くと、童磨様は私の部屋に向かった。
自分の部屋に着くと布団に降ろされそうになったから、咄嗟に童磨様の身体にしがみつく。
童磨様はいつも通り笑いながら言った。
軽くあしらわれてしまったような気がした。
私は十二鬼月のように強くなりたいとは思わないし、物騒な世界を見ているのは好きじゃない。
今回の血鬼術も、出そうと思って術を出したのではない。
本当に嫌で、襲ってくるのに腹が立って、気づいたら血鬼術が使えていた………そんなところだと思う…
童磨様の気を引くための都合のいいように言った嘘だったけど、全て嘘な訳ではない。
童磨様を守るより、私が守られていたい。弱く、可哀想なままでいい。
童磨様は私を抱きしめて、私の唇をペロリと舐めてくれた。

※無断転載やめてね
主が3日かけて考えた、厨二病みたいな血鬼術。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!