毒が回って苦しくて、童磨様の服を掴んだ。
ぼんやりとした意識の中で、童磨様の綺麗で優しい声が降ってくる。
童磨様の馬鹿………
苦しかったのに………
童磨様は私を抱きしめると、優しく背中を擦ってくれた。
思わない……その意を示すために首を振ると、童磨様は少し笑って言った。
童磨様はニヤリと笑った。
嘘を言っているようにも見えなくて、とても不気味だった。
童磨様は私の方に手を伸ばしてくれる。
手を繋いで屋敷に帰ろうって事なのはすぐに分かったけど、今は手を繋ぐだけじゃ物足りなかった。
そう言うと童磨様は扇をしまって、私を抱き上げてくれる。
童磨様の首に腕を回して、顔を埋める。綺麗な白い髪も、鍛え上げられた身体も、童磨様の全てが好きだった。
本当は毒なんか回っていないのだけれど、こうやって童磨様を近くで感じることができるなら、少しくらい嘘をつくことにあまり抵抗は無かった。
それからしばらく、童磨様に揺られながら過ごした。童磨様の匂いに包まれていると居心地がいいし、私は童磨様にとって特別なのだと実感出来た。
童磨様の声が耳元で聞こえて、急に恥ずかしさが襲ってくる。
同時に、冷たい水滴が私の頭に落ちてきた。
足元にも落ちてきたと思った数秒後、ざあっと音を立てて雨が降りだした。
遠くでピカピカと空が光って、雨もざあざあと強くなってきている。
童磨様は私を一度降ろしてから、自分の羽織を脱ぎ、私の肩にかけてくれた。
☆、♡、💬いつもありがとうございます!!✨️✨️🩷













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。