チュッ
車の中にリップ音だけが聞こえる
唇が触れるだけなのに
こんなにも恥ずかしくて、
幸せなものだったなんて知らなかった
ゆっくり目を開けると
昔から大好きだった顔が目の前にある
本当にこの人が大好きなんだろうなと改めて思う
だって一緒にいるだけで心が満たされるから
私が投げ掛けた言葉に
零くんはさっきとは打って変わって冷静だ
と思いきやとんでもないことを言う
チュッ
再度、柔らかい唇が落ちてきた
触れるだけの優しくて溶けそうな接吻
それであって2回目なのに
心臓の音が零くんに聞こえそうだ
確かに……!!!否めない!、と思うが
ねだって良かったと思う自分もいるのは事実で…
たぶん私の顔はまだ真っ赤なんだろうな
いつものごとく
マンションの目の前に下ろして貰う
そんな零くんにわたしから物申したいことが!
注意すると
全く反省していないような返事が帰ってくる
少しからかうと
にやっとしながら皮肉を言う
こーゆー顔も零くんの大好きなところ
でもその皮肉の意味が全く分からなかった
そう言い残しRX-7はマンションの敷地を出ていった
翌日___
今日もマンションを出て警視庁へ向かう
昨日のこともあったから
降谷さんと会話できるだろうか
すると向かい側から花のJKが駆け寄ってくる
面倒なことになったな、、、
何を、とは言わずからかう
分かってはいたが知らないふりをした
しかし、その必要はなかったらしい
直接言われると、改めて恥ずかしくなる
赤くなった顔を見られたくなくて
とっさに両手で隠した
Σ(・∀・)
なんのために、私立探偵と名乗っているか……
こーゆー時のためなんだー!
警視庁に探偵が行っても極自然なので
私立探偵という肩書きは便利だ
腕時計をちらっと確認する
そろそろ行かなければならない時間になったので
手をヒラヒラとして歩き出す
もちろん、花の学生たちに伝えたいことも添えて
そういうのずるくない!?
なんて茶番をしてても時間が勿体ないので
真っ赤になっているであろう顔を見せないように歩く
今時のJKも、友達の恋に必死なんだなぁ、
昨日、この人とキスしたんだと思うと
顔が熱くて仕方がないと言うのに
降谷さんは平気なんだろうか?
事情聴取室___
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝黒くて残酷な気配














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。