第423話

No.420
7,582
2021/04/06 08:08
プレゼント・マイク
最近の子ヤベェエエ!!







プレゼント・マイクが叫んだ。







プレゼント・マイク
オイオイ、どうなってんの。俺があんくらいの頃はこんな威力出せやしなかったぜ。身体的にも法的にも心理的にもよ
肉倉精児
こんな話があります







プレゼント・マイクが言い終えてから、その横で肉倉先輩が口を開く。







肉倉精児
世代を経るにつれ、個性は混ざり深化していく。より強力、より複雑化した個性は、やがて誰にもコントロールできなくなってしまうのではないか...。個性特異点と言われる、終末論のひとつです。この子らを見ていると...少しゾッ、としますね







そんなことを外野で言っている間にも、子供たちは私たちに攻撃を仕掛けてくる。





まあ、私たちは一応ヒーロー志望。





これくらいなんともないんだ。







爆豪勝己
人様に躊躇なく攻撃するたァ...だいぶキてんな!!
轟焦凍
ヒーロー志望相手なら、何しても構わねえと思ってそうだ
夜嵐イナサ
俺はもう、講習とか抜きに...この子らと仲良くなりたい
あなた
いったいどんな教育受けてきたんだか...。私はまずそれを知りたいな







全く避けようともしない私たちを見て、子供たちの表情が変わる。







子供
そんな...!!俺たちの個性にビビってねー...
子供
ちょっと早く生まれただけのくせに...っ
子供
みんな見せてやろう!!俺らの力をもっと!!
子供
あたしがいくわ!!







そう言った子が、弟に狙いを定める。





え、ちょっとなにする気...。







子供
クイーンビーム!!







その声とともに、ピンク色のビームが弟に向かって一直線に放たれる。





弟はじっ、として動かない。





というか、動くつもりはないみたいだ。





なんで避けないんだ。





そう思っている中で、結局その攻撃は弟を直撃する。





あーあ、大丈夫かな。





なんて思っていたが、次の瞬間、弟は予想外すぎる言葉を口にした。







轟焦凍
オイオイ、君の可愛い顔が見てぇんだ。シワが寄ってちゃ台無しだぜ
あなた
!!?







ちょっと待て急にどうしたこいつ。





ほんとに冗談抜きで頭おかしくなったの?





恐ろしいものを見るような目で弟を見つめていると、突然、煙が上がって弟の姿が見えなくなった。





と思うと、







現見ケミィ
ごめ〜ん、マボロシ〜







煙の中からケミィ先輩が姿を現した。





あれ?





中に居たの、って弟じゃ...。







轟焦凍
あなた、俺はこっちだ
あなた
あ、え!?







マボロシ、ってことは、ケミィ先輩の個性だったの?





すごいや。





てか、







あなた
焦凍、さっきのやってみてよ
轟焦凍
お?キミノカワイイカオガミテーンダ?







うん...。





ツボるわ。







轟焦凍
どうしたあなた、腹痛てぇのか?
あなた
いや、これは違くて...っ







ツボに入った私を、弟がおろおろしながら見守っている。





と、







爆豪勝己
カワイイカオガミテーンダ







爆豪くんが突然、弟の真似をし始めた。





かと思ったら、口元を手で押さえて大爆笑。







爆豪勝己
俺は良いと思うぜ!!マボロキ君よォ!!
轟焦凍
?そんなに面白えこと言ってたか?







マボロシの弟だから、マボロキくんか。





なるほど、爆豪くんにしてはネーミングセンスある方じゃん。







夜嵐イナサ
いーから、さっき話したヤツ行くっスよ!







私と爆豪くんが大爆笑している中で、夜嵐くんがそう言ってこちらに声をかけてきた。

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