プレゼント・マイクが叫んだ。
プレゼント・マイクが言い終えてから、その横で肉倉先輩が口を開く。
そんなことを外野で言っている間にも、子供たちは私たちに攻撃を仕掛けてくる。
まあ、私たちは一応ヒーロー志望。
これくらいなんともないんだ。
全く避けようともしない私たちを見て、子供たちの表情が変わる。
そう言った子が、弟に狙いを定める。
え、ちょっとなにする気...。
その声とともに、ピンク色のビームが弟に向かって一直線に放たれる。
弟はじっ、として動かない。
というか、動くつもりはないみたいだ。
なんで避けないんだ。
そう思っている中で、結局その攻撃は弟を直撃する。
あーあ、大丈夫かな。
なんて思っていたが、次の瞬間、弟は予想外すぎる言葉を口にした。
ちょっと待て急にどうしたこいつ。
ほんとに冗談抜きで頭おかしくなったの?
恐ろしいものを見るような目で弟を見つめていると、突然、煙が上がって弟の姿が見えなくなった。
と思うと、
煙の中からケミィ先輩が姿を現した。
あれ?
中に居たの、って弟じゃ...。
マボロシ、ってことは、ケミィ先輩の個性だったの?
すごいや。
てか、
うん...。
ツボるわ。
ツボに入った私を、弟がおろおろしながら見守っている。
と、
爆豪くんが突然、弟の真似をし始めた。
かと思ったら、口元を手で押さえて大爆笑。
マボロシの弟だから、マボロキくんか。
なるほど、爆豪くんにしてはネーミングセンスある方じゃん。
私と爆豪くんが大爆笑している中で、夜嵐くんがそう言ってこちらに声をかけてきた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。