「サラー!!」
きたー!!!!
あなたとは、今まさに研究室のソファーの後ろに隠れている私のことである。
そう、隠れている私のことである!
「あれ?あなたがいたと思ったんだけど…」
アレン・ウォーカーは、どうやら素早く隠れた私には気がついていないらし、
「なんてね!」
『ぎゃー!!』
ちらっと見上げたソファーの背もたれの上から、アレンがにっこり見下ろしていて、思わず悲鳴をあげた。
「なんで毎回隠れるんですかー」
『お願いだから公衆の面前ではそっとしておいて…』
「嫌ですよ」
『やっぱり?』
よいしょ、と立ち上がるのをアレンに手を引いて助けてもらいながら苦笑いすると、アレンが口を尖らせた。
「だって、公衆の面前で公衆の面前でって言うけれど、あなたいつも研究室にいるし、仕事が休みかと思えば寝てるし」
『ご、ごめんごめん…確かにそうです…』
でしょう!?とアレンが笑う。
「だから僕、こうして構えるときに構ってるんですよー」
『すみませんホント……』
丸め込まれた気がしなくもないけれど、結局ソファーにふたりで座ってくすくす話すのは楽しい。
「あ、ピン、ズレてますよ」
『え?うそ』
アレンが私の前髪を触って、ピンを直してくれた。
『…ありがと』
「どういたしまして」
「あのー、いい雰囲気のところホント申し訳ないんだけど」
にゅっと現れたラビ君にびっくりして、思わずアレンを突き飛ばしてしまった。私悪くない…。
「いたた…なんですかラビ。もっと申し訳なさそうにしてくださいよ」
「アレン、相変わらずだな…てかそもそも、オレが来たのはアレンがオレ達と一緒の任務入ってるのにいつまでもイチャついてるから呼びに来たんさよ!むしろ感謝して欲しいさ!」
『今日任務なの?』
「…そうなんです…あなた、今日は神田が任務終わりで教団にいるはずですけど、あんまり仲良くしたらいやですよ」
『はいはい、いつも普通に話すだけだし心配いらないから』
神田君とのお茶会も続いているわけだけれど、アレンがいるのが鬱陶しいみたいで、実はこういうアレンが任務でいない時はいつもより彼の滞在時間が長い…ということは黙っておこう。
「そうやって大丈夫ー、大丈夫ー、とか言うのが危ないんですよー!神田が抱きついてきたりしたらどうするんですか!!」
「それお前だろアレン…ユウがセクハラしてるとこイメージできないさ…いや、案外…てことも?」
『ないから、ないない。ほらーアレン準備終わってるの?』
「バッチリです!」
「じゃあ行くぞアレン」
ええー、もう少し、なんていいながらウンザリ顔のラビ君に引きずられていくアレンに思わず笑って、行ってらっしゃいを言うと、アレンも行ってきますと笑った。
『ラビ君も行ってらっしゃい』
「はーいいってきまーす」
「あなた僕ももう一回!名前呼んでからお願いします!」
『アレン行ってらっしゃい』
年下で、構ってちゃんで、心配症だけど。
「行ってきます!」
とても優しくて、たくさんの笑顔をくれる、貴方が好きです。
アレが輝いて見えちゃうのは、
アレを好きになっちゃったからです












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。