BTSは、2013年6月13日ほぼ無名だった中小事務所
Big Hitエンターテインメントから、防弾少年団
(BTS)という名前でデビュー。10代、20代の若者
へ向けられる社会的抑圧や偏見を防ぎ、自分たちの
音楽を守り抜くという意味を持つグループ名の通
り、ヒップホップ色強めのトラックに若者たちのフ
ラストレーションを代弁したストレートな歌詞を乗
せ、“ヒップホップアイドル”として誕生しました。
大手事務所所属のアイドルたちがひしめき合って
いた当時、中小事務所所属だったBTSは、デビュー
時から大きな注目を浴びることはありませんでし
た。
韓国のアーティストにとって、スターになる必須条
件なのが、独自の採点方法でランク付けを行う音楽
番組のランキングで1位を取ること。
しかしBTSは音楽番組には出演していたものの、1位
のトロフィーを掴むことはありませんでした。
それにくわえ、“ヒップホップアイドル”というコン
セプトに「所詮アイドルラッパー」、「BTSはヒッ
プホップではない」などと揶揄(やゆ)されること
も。
元々ヒップホップの世界で有名だったRMやSUGA
は、大きな屈辱を味わっていたそうです。
2013年12月には、日本初上陸。ジャパンショーケ
ースを開催し、日本での活動をスタートさせ、翌年
の2014年6月には日本デビューを果たします。
11月には日本初の単独コンサートも開催し、圧巻の
ライブパフォーマンスで“公演ドル(公演に力を入れ
ているアイドル)”として強烈な存在感を示していき
ます。
「Boy In Luv」や「Danger」などの楽曲を出すも
1位を獲ることは叶わず、大きな成果を得られずにい
ました。
楽曲の方向性に悩み抜いた結果、イメージを一新。
彼らを一躍スターダムに押し上げた青春三部作とな
る「花様年華」シリーズの第1弾ミニアルバム『花様
年華pt.1』を発表します。
タイトル曲となった「I NEED U」は、これまでの
BTSのヒップホップ調の楽曲とは異なり、エキゾチ
ックで哀愁も漂う一曲。
この曲でついに念願だった音楽番組『ミュージック
バンク』1位を獲得!
この頃から、デビュー当初は7人のパフォーマンス中
心だったミュージックビデオが、メンバー全員にス
トーリー設定があるショートドラマの様なドラマチ
ックな仕様になります。
前のミュージックビデオに登場した壁の落書きなど
が次の作品に大きな意味を持つなど、まるで謎解き
のようなワクワクする仕掛けが隠された、BTSなら
ではの世界観がこの頃に形成され、大きなターニン
グポイントとなりました。
2020年『MAP OF THE SOUL:7~THE
JOURNEY~』の発売を記念して行われた「BTS
MUSIC JOURNEY」のインタビューにおいてSUGA
は、「これが最後のチャンスかもしれないと思いを
抱えて全てを出し切って作った」と話し、メンバー
の大半が「BTSのターニングポイントは『I NEED
U』だった」と、BTSにとって特別な一曲であること
を語っています。
BTSを象徴するトラックの1つとも言われるこの曲
は、広く大衆に愛され、“全国区”へと広がり、BTS
の成功への第一歩となりました。
この『花様年華』シリーズを皮切りに次々とさまざ
まなランキングで1位を獲得し、人気を確立していき
ます。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!