第59話

肆拾漆話 【操り人形と嘘吐き 〜弐〜】
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2026/01/07 22:57 更新
(なまえ)
あなた
ねぇ、君....
(なまえ)
あなた
"本当に私を殺せると思ってるの?"

妖怪
....は?どういう意味だ
妖から困惑が伝わってくる
(なまえ)
あなた
ふふ、今の私は人間ではないんだよ
(なまえ)
あなた
昔と違ってね
妖怪
何を言って....
妖怪
なら、人間でなければお前はなんだと言うんだ
(なまえ)
あなた
そんなの一つしかないでしょ
(なまえ)
あなた
スッ  神様
あなたの下の名前は"天"を指さしそう言った
妖怪
....フンッ   バカバカしい
(なまえ)
あなた
まあ、信じようが信じまいが君の自由だけど....神をどうやって殺す?
(なまえ)
あなた
妖術?それとも物理?
妖怪
.......
(なまえ)
あなた
"不可能"だよ
(なまえ)
あなた
これだけは断言できる....どんな傷も、私にとって致命傷にはなり得ない
妖怪
....バケモノめ
(なまえ)
あなた
うん、そうだね
(なまえ)
あなた
だけど、妖の君には言われたくないな
妖怪
......
(なまえ)
あなた
あれ、本当に策は無し?
(なまえ)
あなた
えぇ...もしそうなら期待外れもいいところなんだけど...あーあ、残念だったなぁ
あなたの下の名前はクルッと背を向けて歩き出す
妖怪
おい、どこに行く.....逃げる気か?
(なまえ)
あなた
え?帰るんだよ?
(なまえ)
あなた
もう君に対する興味は完全に失せちゃったし.....ほんと、期待外れだった
妖怪
....スッ   逃がすか
妖は懐から刀を取り出して突き出す
(なまえ)
あなた
刀...か
(なまえ)
あなた
あのね、君....先に言っておくけど、そんなんじゃ私は殺せないよ?
(なまえ)
あなた
いくら刺そうともね
妖怪
フッ....それはどうだろうな
(なまえ)
あなた
....何か細工でもしてるの?
妖怪
この刀はな、"ある妖怪"から貰った特別な刀だ
(なまえ)
あなた
(ある妖怪....?)
妖怪
妖力が込められた刀
妖怪
この刀なら"神すら殺せる"のだと言われた
(なまえ)
あなた
へぇ....神を、ね
(なまえ)
あなた
(....見た感じただの刀のようだけど)
あなたの下の名前は妖のもつ刀をジッと見る
(なまえ)
あなた
.....?
(なまえ)
あなた
(少し妙な気配を感じる気が....いや)
(なまえ)
あなた
....試してみればいいか
妖怪
この妖刀なら....
妖怪
たとえ神でも、お前のことを殺せるんだ!
(なまえ)
あなた
なら、やってみてよ
妖怪
.....は?
それは予想外の言葉だった
(なまえ)
あなた
神すら殺せる妖刀?
(なまえ)
あなた
ふふっ、本当ならどれだけ嬉しいことか
あなたの下の名前は一歩、妖に近づく
妖怪
ち、近づくな....
(なまえ)
あなた
どうして?
一歩....
(なまえ)
あなた
近づかないと私を刺せないでしょう?
(なまえ)
あなた
ほら、刺してみてよ
一歩ずつ確実に近づいていく
妖怪
お、お前っ!
妖怪
俺が刺せないと思ってんだろ!本当に刺すぞ!
(なまえ)
あなた
だから、刺してみなって
(なまえ)
あなた
でも....
妖怪
フルフル....っ
(なまえ)
あなた
....ふふ、きっと君にそれは難しいかな
妖怪
なに、を...っ
(なまえ)
あなた
手が震えてる
(なまえ)
あなた
足もガタガタで立っているのがやっと
妖怪
っ....!
(なまえ)
あなた
....スッ
(なまえ)
あなた
話を聞いてずっと気になってた
一歩
妖怪
ビクッ....っ
(なまえ)
あなた
どうして私は....
(なまえ)
あなた
"あなたの元々の名"は....妖である君のことを殺さずに逃がしたんだろうって
あなたの下の名前の表情は崩れない

笑顔のまま目の前の女はゆっくり近づいてくる
妖怪
よ、寄るな...っ
(なまえ)
あなた
油断?ミス?
(なまえ)
あなた
ふふ、それだけは絶対に有り得ない
あなたの下の名前は妖を気にも止めない
(なまえ)
あなた
あなたの元々の名は強かった、誰よりもね
(なまえ)
あなた
そして、彼女は大陰陽師になるべくしてなったような人間だった
(なまえ)
あなた
妖を逃すなんて
(なまえ)
あなた
そんな愚かなミスを犯すわけがない
妖怪
....っ
(なまえ)
あなた
なら理由は一つ
(なまえ)
あなた
君は....あなたの元々の名という人間に偶然、たまたま見逃されたに過ぎないんだよ
(なまえ)
あなた
あなたの元々の名がお人好しゆえに、ね
妖怪
ザザ...ザ
妖怪
お、まえ....っ
俺の友人と家族を殺したあの女は....
_ @_
......
まるで"空っぽのような"

"何も映さないガラス玉"のような瞳をしていた
妖怪
っ....
_ @_
....逃げないの?
妖怪
ハナから逃がす気なんてないくせに....よくも
妖怪
よくも...っ、俺の...
_ @_
えぇ
_ @_
私を許さなくていいわ....恨んでいい
妖怪
殺して...やる、っ
妖怪
いつか....絶対に、お前をっ....殺してやる!
_ @_
....そう
妖怪
.....!
その女は何故か刀を鞘に収めた
_ @_
もう行きなさい
_ @_
そろそろ他の陰陽師が来てしまうから
妖怪
なん、で....妖の俺を逃がすって言うのか!?
妖怪
陰陽師の、お前が!
_ @_
そんなの関係ある?
_ @_
私はね、出来ることなら人も妖も仲良くして欲しいと心から願っているわ
_ @_
だから、これは私の我儘
妖怪
...は?
_ @_
私は、お前を生かしてみたくなった
_ @_
ただ、それだけ
妖怪
俺は....っ、いつか....お前のことを殺すぞ!
妖怪
生かしたら、絶対にっ
_ @_
....ふふ
妖怪
.....!
_ @_
なら、私は"その日"が来るのを待つわ
_ @_
お前が....
その時....

初めて俺はアイツの"本当の瞳"を見た気がした
_ @_
いつか私のことを殺しに来る
_ @_
"その時"まで
空っぽだった

何も映らないガラス玉のような瞳に"色が宿った"
_ @_
だから
_ @_
いつか必ず、私を...."あなたの下の名前わたし"を
光に照らされ輝くように....
_ @_
"殺しにおいで"
泣きたくなるほどに優しい...."藤紫色の瞳"を
妖怪
......
(なまえ)
あなた
....そっか
(なまえ)
あなた
本当にあなたの元々の名は"お人好し"だったんだね
(なまえ)
あなた
ほんと....
妖怪
....ゾワ
???
???
反吐が出るよ
妖怪
(な、んだ....?)
妖怪
(本当にコイツは....俺の知るあの女なのか?)
(なまえ)
あなた
....ふふっ
(なまえ)
あなた
でも、これであなたの元々の名に嫌がらせが出来る
ザッザッと音が近づく
(なまえ)
あなた
昔、見逃した妖に
(なまえ)
あなた
刺されて殺されるなんてさ....本当に
(なまえ)
あなた
馬鹿で間抜けだよね
そして.....
妖怪
....っ!
(なまえ)
あなた
ほら...
(なまえ)
あなた
スッ...."私の心臓はここだよ"
妖の震える手を掴み

刀を心臓のところにもってきていつものように微笑む
妖怪
お、まえ...っ
(なまえ)
あなた
何を躊躇うの?
(なまえ)
あなた
ほら、私のことを殺したいんでしょ?
(なまえ)
あなた
今、君の....
(なまえ)
あなた
友人と家族の"仇"が目の前にいる
目の前の女は

穏やかで優しい笑みを浮かべたまま言葉を続ける
(なまえ)
あなた
これでようやく
(なまえ)
あなた
君の待ち望んだ復讐が果たせるんだよ
(なまえ)
あなた
よかったね
妖怪
っ、く...狂ってる!
妖怪
お、お前は、死ぬのが怖くないのか....っ!?
(なまえ)
あなた
怖い?どうして?
そいつは

表情を一切崩さないまま続ける
(なまえ)
あなた
こんな....
(なまえ)
あなた
"どこにも自分の居場所がない真っ暗な世界で生きていくこと"以上に....
(なまえ)
あなた
怖いことなんてないんだよ
妖怪
....っ!
(なまえ)
あなた
"死"は私にとって
(なまえ)
あなた
誰にも縛られることのない"自由"だから
(なまえ)
あなた
だから、さ....
トン
_ @_
私を殺して....私を、"自由にして"よ
妖の刀を心臓に押し当てる
妖怪
お、おれは....っ、お前....を
妖怪
プルプル....
妖の手は酷く震えていた
(なまえ)
あなた
パッ....ふふっ、だから言ったでしょ?
(なまえ)
あなた
君に私は殺せない
あなたの下の名前は刀から手を離しながらそう言った
妖怪
っ....
(なまえ)
あなた
これで分かったよね
ザザ...
妖怪
(な、んだ....何か声が──)
(なまえ)
あなた
今日のことは忘れてあげる
※め※※あなたの下の名前※※を※※せ
頭の中でその言葉が響いた
妖怪
ー ドクンッ
(なまえ)
あなた
君も、今日のことも私のことも忘れて
(なまえ)
あなた
普通の日常に戻りな
妖怪
....フラッ
(なまえ)
あなた
分かったら、早くお家に帰──
ドスッ
(なまえ)
あなた
ぇ....?
ボタ.....ボタボタッ
妖怪
.......
(なまえ)
あなた
あ...はは...
(なまえ)
あなた
な、んだ....ちゃ、んと刺せる...じゃん
あなたの下の名前の溝内の下ら辺に妖の刀が深く刺さっていた

ボタボタと血が流れる
妖怪
ズル....
(なまえ)
あなた
っ....ドサッ
妖怪
......
(なまえ)
あなた
(想定外...)
(なまえ)
あなた
(でもやっぱり刀自体は...ただの──)
ドクンッ
(なまえ)
あなた
っ、ゴホッ ゲホッ...
(なまえ)
あなた
ど、して....?体...が言うこと...聞かな
自分の手を見ると酷く震えていて

視界も歪み始めた
(なまえ)
あなた
毒...か
(なまえ)
あなた
(これ...は、少し不味いかな..ぁ....)
あなたの下の名前は歪む視界の中で自分を刺した妖を見る
妖怪
あ....ぇ?俺...なん、で...刺して....っ
妖怪
ちが....ちがう
妖は震えながらボソボソと何かを呟く
(なまえ)
あなた
(な...んだ?様子が....)
妖怪
ちがっ、本当に刺す気な...んて、なかった...っ
妖怪
体が....勝手にっ....
ボロボロと涙を流しながら妖は呟く
妖怪
俺は....ただ、っ...
妖怪
な、んで...刀も....ただの、刀のはず・・で...っ...
妖怪
お、俺...っ、どう...したら....
(なまえ)
あなた
....いいよ
妖怪
...え?
(なまえ)
あなた
これ...は...."同情"だから
(なまえ)
あなた
千年前、あなたの元々の名という....一人の人間に"呪われ...た"無様で哀れな...妖の君へ
(なまえ)
あなた
だから...全部忘れていいよ
あなたの下の名前は妖の方へ手を伸ばす
(なまえ)
あなた
スッ....เหจวขจาลมชา่จ
妖怪
っ、何を....言って
(なまえ)
あなた
(これで....もう"二回目"か)
(なまえ)
あなた
....さよなら
そう呟いた瞬間
妖怪
!待っ──
シュンッと妖が目の前から忽然と消えた
(なまえ)
あなた
....君が、もう二度と....私のことを思い出さないことを願っているよ
(なまえ)
あなた
"あの子と同じように"ね
あなたの下の名前は揺れる視界の中

必死に意識を保とうとゆっくりと深呼吸をする

そんな時だった.....
???
あなたの下の名前っ!!
(なまえ)
あなた
!バッ
(なまえ)
あなた
な....んで、ここに君が....
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
はぁっ、はぁ
酷く焦ったような表情であなたの下の名前を見る
(なまえ)
あなた
晴明....
(なまえ)
あなた
グラッ(っ、不味い...急に動いたから)
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
ダッ....っ、あなたの下の名前!
晴明は全速力であなたの下の名前の方に駆けてくる
(なまえ)
あなた
...あ、はは...
(なまえ)
あなた
ほんとうに....私は運がないんだなぁ...
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
....ッ!!
(なまえ)
あなた
どいつも...こいつも
(なまえ)
あなた
クソみたいなお人好しばっかで参っちゃう....
あなたの下の名前は嘲笑を零す

そして、深い深いところへと意識は沈んでいった














































花雨
花雨
更新遅すぎて本当に申し訳ない
花雨
花雨
どんな話を書くかのイメージは頭の中にあるんですけど、それを文字起こしするのが難しいんですよね
花雨
花雨
もう、気長に待ってて下さい
花雨
花雨
次の話で一回区切ることになって番外編を挟む予定です。あくまで予定です
花雨
花雨
そのまま本編が続くかも
花雨
花雨
とりあえず暫くオリジナルの話になります。では、次の話でお会いしましょう
花雨
花雨
おバイバ〜イ!╰(*´︶`*)

♡419 ☆88 ありがとうございます!

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