妖から困惑が伝わってくる
あなたの下の名前は"天"を指さしそう言った
あなたの下の名前はクルッと背を向けて歩き出す
妖は懐から刀を取り出して突き出す
あなたの下の名前は妖のもつ刀をジッと見る
それは予想外の言葉だった
あなたの下の名前は一歩、妖に近づく
一歩....
一歩ずつ確実に近づいていく
一歩
あなたの下の名前の表情は崩れない
笑顔のまま目の前の女はゆっくり近づいてくる
あなたの下の名前は妖を気にも止めない
ザザ...ザ
俺の友人と家族を殺したあの女は....
まるで"空っぽのような"
"何も映さないガラス玉"のような瞳をしていた
その女は何故か刀を鞘に収めた
その時....
初めて俺はアイツの"本当の瞳"を見た気がした
空っぽだった
何も映らないガラス玉のような瞳に"色が宿った"
光に照らされ輝くように....
泣きたくなるほどに優しい...."藤紫色の瞳"を
ザッザッと音が近づく
そして.....
妖の震える手を掴み
刀を心臓のところにもってきていつものように微笑む
目の前の女は
穏やかで優しい笑みを浮かべたまま言葉を続ける
そいつは
表情を一切崩さないまま続ける
トン
妖の刀を心臓に押し当てる
妖の手は酷く震えていた
あなたの下の名前は刀から手を離しながらそう言った
ザザ...頭の中でその言葉が響いた
ドスッ
ボタ.....ボタボタッ
あなたの下の名前の溝内の下ら辺に妖の刀が深く刺さっていた
ボタボタと血が流れる
ドクンッ
自分の手を見ると酷く震えていて
視界も歪み始めた
あなたの下の名前は歪む視界の中で自分を刺した妖を見る
妖は震えながらボソボソと何かを呟く
ボロボロと涙を流しながら妖は呟く
あなたの下の名前は妖の方へ手を伸ばす
そう呟いた瞬間
シュンッと妖が目の前から忽然と消えた
あなたの下の名前は揺れる視界の中
必死に意識を保とうとゆっくりと深呼吸をする
そんな時だった.....
酷く焦ったような表情であなたの下の名前を見る
晴明は全速力であなたの下の名前の方に駆けてくる
あなたの下の名前は嘲笑を零す
そして、深い深いところへと意識は沈んでいった
♡419 ☆88 ありがとうございます!




















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。