北斗さんは、さっきとは打って変わって前向きで
私とも積極的に話してくれた
私たち残り短いんだから、なんて言葉をずっと飲み込む
北斗さんは少し頭を掻いたあと、こちらを向いた
大我にメッセージを送信する
案外すぐに『わかった』と返信が来た
それは、13年前の話
俺が4歳の時、体調が安定したこともあって
保育園に通い始めた。
ただ、病院にしかいなかった俺は
人との接し方がわからなくていつも1人だった
そんなとき、声をかけてくれたのが大我だった
まだ幼くて、舌っ足らずな喋り方でそう言う大我
それから、2人でずっと遊んでいた
来る日も来る日も、2人で肩を寄せて遊んだ
けれど、楽しい時間はそう続かないもので。
俺の病状は、小学校に上がるタイミングで悪化した
大我は毎日面会に来てくれていた
雨の日も、面会可能な日は毎日。
学校での出来事を事細かに話してくれた
だけど、小学校5年生の時
大我が、嫌がらせに遭った
大我はひどく落ち込んで学校にも行けなくなった
その一言が、大我を傷つけてしまった
大我は、ぐっと拳を握りしめてから
病室を飛び出していってしまった
俺の声は、届かなかった
北斗さんは、また明るい表情をした












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。