大我がくる30分前
北斗さんはそわそわしてずっと歩き回ってる
北斗さんはやや下を向きながら
でも確かに頷いた
ドアをノックする音がして、彼がきたことを悟る
北斗さんは、少し背を伸ばしてゆっくりと深呼吸した
そして、何を思ったのかベッドに戻ってしまった
大我が大きな瞳でそう問いかけてきた
北斗さんはベッドを仕切るカーテンの向こうにいる
不思議そうに目を丸くする大我をよそに
私はカーテンの方へゆっくりと歩き
そっとカーテンを開けた
絵に描いたような驚き方をする大我。
肝心の北斗さんは俯いたまま大我の方を見ようとしない
やっと上げた北斗さんの顔は少し強張っていた
ふたりは目を合わせたかと思うとまた逸らして
なんだかもどかしい気持ちになりながら
私はただ眺めることしかできなかった
先に誤ったのは、北斗さんだった
北斗さんのまつ毛が少し震えている
大我はそんなことない、とかぶりを振った
大我もまた、北斗さんをまっすぐ見つめた
その目は、ちょっとだけ潤んでいる
大我の目からぼろぼろと大粒の涙が溢れる
北斗さんはそれを指でぬぐいながら否定し続けた
北斗さんの目からも、涙が一粒溢れた
私はそれを見ることしかできなくて
北斗さんは私の方を向き、瞳を揺らした
言うか迷ってるんだろうな、
私は小さく頷いた
大我の表情が少し硬くなった
大我が驚いた顔をした
北斗さんは話し続ける
大我は縋るような声で問いかける
大我は、また目から涙を流した
下を向いて、泣き顔を見られないように
北斗さんは大我の涙を拭いながら、自分も泣いていた
大我は、涙を拭って笑顔を作り、答えた
仲直りできた2人を見届け、
私はそっと病室を出て行った












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。