わたしをみて
私を見て!!!
小さいころからそうだった。
パパもママも
「流石おねえちゃんね!!!」
おねぇちゃんしか見てなかった。
私と違って綺麗な黒髪ロングヘアー。
妹の私は見てくれなかった。
おねぇちゃんとは6歳も歳が離れていた。
「お父さん!お母さん!学年1位取ったよ!!」
昔から姉は地頭が良かった。
それに比べて私は勉強があまりできなかった。
「パパ!ママ!見て!!英語で100点取ったんだよ?」
英語だけが取り柄だった。
英語なら誰にも負けないと思っていた。
でも。
「流石おねぇちゃん!英検1級取れたのね!!」
負けた。
唯一の取り柄が無くなった。
亡くなった。
私の取り柄が死んだ。
「すーちゃん!英語で100点取ったの!?流石私の妹!」
それでもおねぇちゃんを憎めなかった。
おねぇちゃんだけが褒めてくれた。
大好きで大嫌いなおねぇちゃん。
「すーちゃんったら、この歳になってもパパ、ママ呼びを止めないのよ…」
「おねぇちゃんはお父さん、お母さんって呼んでくれるのに…
この歳でパパ、ママなんて恥ずかしい…!」
聞こえてくる。
ママの怪訝そうな声。
なら、私を見て
わたしをみて!!!
わたしをあいして!!!
「すーちゃん…今日は遊べないのごめんね…」
「なんで…?おねぇちゃん…!!」
おねぇちゃんは受験生になっていた。
勉強に追い詰められ私と遊んでくれる時間も無くなった。
「…おねぇちゃん…」
おねぇちゃんが中3の頃。私はまだ小3だった。
だから気づかなかった。
「すーちゃんは英語が好きなんでしょ?なら、それだけを磨けば良いと思う!」
おねぇちゃんはパパ、ママからのプレッシャーが掛かっていたことに。
「…おねぇちゃん……?」
「…………。」
冬になるとおねぇちゃんはずっと部屋に籠もっていた。
遊んでくれない。だけど、おねぇちゃんも頑張ってるから、私も英語を勉強しようと思えた。
いつか、おねぇちゃんを英語で抜かするんだ。
パパ、ママ、おねぇちゃんから褒めてもらうんだ!
わたしをみてくれる!!!
「駄目よッ!!この点数で高校が受かるって思ってるの!?」
「…ごめんなさい。」
おねぇちゃんが珍しく怒られている。
おねぇちゃんがつらそうな顔してる。
助けなきゃ
なのに。
「…ざまぁみろ…」
幸福感でいっぱいになった。
きもちわるい。
大嫌いで大好きなおねぇちゃん。
「すーちゃんは、あなたちゃんっていうお友達がいるんだよね。」
「…?うん!おねぇちゃんどうしたの?」
今日のおねぇちゃんは酷く疲れていた。
目の下に隈がある。
「………羨ましいなぁ…、」
「…え?」
「おねぇちゃんね、学校にお友達なんて居ないの。話しかけてくれるクラスメイトもいないの。話しかけても仲良くなれないの。ねぇ、なんでだと思う?すーちゃん。なんで?なんで?」
「お、おねぇちゃん…?」
目が死んでいる。
目が黒く渦巻いている。
「ずっとさみしかった。」
その言葉を最後におねぇちゃんは居なくなった。
いなくなった?
亡くなった。
「…自殺しちゃったんだよねぇ。」
「え…?」
あなたの顔が歪んでいる。
あのときのおねぇちゃんと似たような顔で。歪んでる。
「だから、私は英語が大嫌いで大好きなの!」
「…すーちゃ、ん…」
大丈夫。そんな悲しそうな顔をしないで。
こうしてまた、おねぇちゃんと会えたんだから。
ねぇ、おねぇちゃん?
やっぱり私を見て、褒めてくれるのはおねぇちゃんだけだよ。
「あなた。][おねぇちゃん。』
――――――
もしかしたら、コメ欄にちょっとしたこと書くかも??
しれなくもない。後になるかも












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。