隣に座る綺麗な顔をした少女は前を向いている。
HRが終わってから隣の少女は色んな人に囲まれていたからこんなにまじまじ見れるのは今日初めてだ
うーん、どう見ても私。
ドッペルゲンガー?
生き別れの双子とか?
そんなありえないことを考えてしまうほど私はパニックに陥っていた。
もう一度隣の少女をまじまじと見る
するとこちらの視線に気がついたのか私を見た
まずい。
そう思ってももう遅い
「こんにちは」
綺麗な澄んだ声
自分の声は客観的に聞いた事がないから分からないけど私もこんな声なのかもしれない。
こんなことを考えてる暇はない。返事をしなければ
「こ、こんにちは」
驚きと焦りで声が上ずってしまったが返事はできた。
「私達、似てるね」
「い、いやいや立波さんの方が綺麗だよ」
「そっかあ、嬉しいな」
そう言うと嬉しそうに微笑った。
「あ、名前も教えて!私転校したてで名前わかんなくてさー」
そういうと彼女は頼りなさそうに笑った
「…坂本 日向です」
「わあっ素敵な名前だ〜!ひなたちゃんってよんでいーい?」
「はい、全然大丈夫です…」
「敬語もやめてよ〜!あ、あとあと私の事は美奈ってよんでね〜!」
「え、いいんですか、?じゃあ美奈さん、?」
「さん付けもやめて!呼び捨てにして!」
「わかった、美奈…」
慣れない。呼び捨てなんて中学以来だ
彼女の顔が浮かんだが、すぐに消えていった
「美奈ちゃーん!なにしてるのー?インスタ繋ご!」
「あ、うんすぐ行くー!」
名前も知らない彼女に呼ばれた彼女は1度こっちを振り返った
「またね、日向ちゃん」
彼女のいた場所を眺める。
別に理由はない、なんとなく
「またね、か」
私は誰にも聞こえない、無意識の声を漏らしていた












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!