あなたの下の名前side
ピンポーン
家のチャイムが鳴る。
ん〜?あれ、もう朝ー??いやそんなはずないよ、だってさっき寝たもん。
1度起き上がってまたベッドに倒れ込む。
ピピピピピピンポーン
ありえない速さで連打したチャイムの音が聞こえる。
ん〜、待ってあと5時間……
上から声が聞こえる。
制服姿の快斗がぼーんやりと見える。夢だなこれは。快斗が家にいるはずがない。
ぐいっと袖を引っ張ると、うおっと快斗がベッドに倒れ込む。
あれ……重い。
まさか、、、とパチッと目を開ける。バッと起き上がるとゴンッ!と快斗の頭と私の頭が鈍い音を立てる。
あ、めっちゃ痛い。これ夢じゃないわ。
いててとおでこをさする快斗を見る。
快斗がニカッと笑う。
私はにっこりと笑う。えへへーと笑う快斗。あ、これやめる気ないな。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!