第4話

4,ピピピピピピンポーン②
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2024/04/25 02:52
快斗side


ピンポーン


いつものようにあなたの下の名前の家のチャイムを押す。


………………。


家の住人が出てくる気配はない。これは二度寝したな?と疑うが、


ピピピピピピンポーン


と、マジシャンとして自信のある指を駆使し、チャイムを連打する。


………………。


ぜってぇー寝てるな、確信に変わる。
黒羽快斗
黒羽快斗
ちょっと失礼しますよーっと


あなたの下の名前が使っていたヘアピンを取りだしカチャカチャとピッキングを始める。


カチッと小さな音がして、ドアノブを回せば扉が開く。


迷わず玄関に入ると、靴を脱ぎそのまま一直線に寝室へと向かう。
黒羽快斗
黒羽快斗
おい、あなたの下の名前


上からあなたの下の名前を見下ろす。
(なまえ)
あなた
んー?あ、かいとぉ
黒羽快斗
黒羽快斗
あ、かいとぉじゃねぇよ、起ーきろ!あーさ!
(なまえ)
あなた
ん〜


やっぱり寝てたか、とパジャマ姿で気持ちよさそうにすーすーと寝息を立てるあなたの下の名前ヲタ見る。寝顔可愛いなおい。どうせ夢だと思ってるんだろうなと、笑いがこぼれる。すると、
(なまえ)
あなた
かいともおいでよぉ


とぐいっと袖を引っ張られ、うおっとベッドに倒れ込む。


腹筋でなんとかあなたの下の名前が潰れないように耐える。


パチッとあなたの下の名前が目を開ける。お、起きたかとあなたの下の名前をのぞき込むとバッと起き上がるので、ゴンッ!とあなたの下の名前の頭と俺の頭が鈍い音を立てる。


痛ってーな、急に覚醒すんなよ。とおでこをさする。
(なまえ)
あなた
ねぇ快斗、起こしに来てくれたの?


あなたの下の名前が口を開く。
黒羽快斗
黒羽快斗
おう


ニコッと笑って答える。
(なまえ)
あなた
でもね、何回も言うけど勝手に鍵開けて入るのはやめて欲しい


あなたの下の名前がにっこりと笑う。そんなあなたの下の名前にえへへーと笑ってみせる。毎朝寝顔が見れる特権を、今更手放すわけねーだろ。

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