第32話

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2026/05/31 12:14 更新
ハン side




新しいアイデアが思い浮かばない…





今回任されたのはある本の宣伝ポスターのデザイン。





何個か提案はしたけど、過去作と似通ったものばかりで却下されてしまった。





せっかくの週末だってのに、僕は会社からパソコンや資料を持ち帰って座りっぱなしだ。






BC
BC
今日もやってるのか?
 
HN
HN
はい、当分悩みそう…




会社の社長であり、友人であるチャニヒョンとはシェアハウスをしている。





この方が家賃も安いし、家事とか分担できるから比較的楽に暮らせる…って今そんな事考えてる場合じゃなかった。





HN
HN
う“〜〜ん…
 
BC
BC
…少し休憩したらどう?
 
HN
HN
そうする…




一旦パソコンを閉じて、チャニヒョンが淹れてくれたコーヒーを啜る。





BC
BC
小説の宣伝を担当するのは初めてだよね。
 
HN
HN
そう、今までCDとかアルバムとか雑誌だったから分からなくて。
 
HN
HN
やっぱ慣れてないからかな、?
 
BC
BC
それもあるだろうし、ジソン。お前は具体性を出そうとしすぎなんじゃないか?
 
HN
HN
ぅえ?
 
BC
BC
却下された案、人が写ってただろう?
 
HN
HN
はい…
 
BC
BC
小説は読む人によって想像の仕方が違うし、あまり固定しない方がいい。
 
HN
HN
抽象的に、ってことですか?
 
BC
BC
そうだね。
 
HN
HN
僕そういうのめちゃくちゃ苦手…!
 




苦手分野の登場に僕は机に突っ伏してため息をつく。





BC
BC
これを機に苦手を克服できるじゃん。
 
HN
HN
思いつけば、合格すればの話だけどね。



この小説は恋愛小説なんだけど、シリアスで涙腺を刺激される。





メリーバットエンドなんだけど、僕は読んでみてそこまで悲しい終わり方ではなかった。





むしろヒロインは最後の最後で報われたって思って…





そうか。なにも小説の要素を全て盛り込もうと思わなくていいんだ。





普段の僕のアイデアとは逆だけど、限りなくシンプルにする。





僕が1番心に残った小説の場面を表せるようなでデザイン…思いついた!






HN
HN
すっごい閃いた!
 
BC
BC
おっ!どんなアイデア?
 
HN
HN
いや、ヒョンには合格貰ってから言う。
 
HN
HN
また却下されたら恥ずいし…
 
BC
BC
ㅎㅎㅎ
じゃあ来週頑張れよ!
 



























































バンチャン side





会社にて、ドアのノック音がして誰かが入ってくる。






中にいる僕の返事を待たずに入ってくるのはアイツだけ。





BC
BC
どうした。
 
HN
HN
…通りました。昨日言った案が。
 
BC
BC
おぉ!それは良かった。
 
HN
HN
だからヒョンに言いにきたんです。
 
BC
BC
どういうの?
 
HN
HN
とてもシンプルです。
ただ、手を伸ばしている人の影だけです。
 
BC
BC
うん。





そのアイデアの内容は、今までのジソンアの思考とは真反対の新しい発想。





暗闇の中で淡く輝く光に向かって女性の影が手を伸ばす。





いたって単純な構図だが、十分なほどに小説の概要を表現できている。





HN
HN
で、そのポスターの作成で女性のモデルを使いたいんですが、
 
BC
BC
じゃあ欲しい人材の特徴とか教えてくれ。
こっちで早ければ明日に候補者のリストを渡すよ。
 
HN
HN
いや、もう選んでます。
 
BC
BC
…名前を聞いてもいいかい?
 
HN
HN
はい。





HN
HN
あなたの女装時の名字と名前さん。
この方をこのポスターに使いたいです。










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