あなた side
さっきのこともあって断る元気もなかった。
ああいう扱いにはもう、慣れたはずなのに。
なんかしんどくて、泣きそう、、
チャンビンさんの言ってることが本当なのか、アイツらと違うのかは分からない。
でも、連れ出してくれた勇気や怒ってくれた顔、それに…いつも見るジムでの姿から、いい人だって思ったから。
もうこれ以上疑いたくない。
大丈夫だ。俺。信じるのも大事だぞ。
首元が隠れるハイネックの服だったけど、運悪く隙間から見られるとは思いもしなかった。
男とバレたのならもういっかと思い、声のトーンもいつもの感じに戻す。
なんかもう、心身が疲弊しまくってて、そこに来たチャンビンさんの存在がとても安心材料になったのか、この時の俺は危機感が無くなってた。
判断力が無くなってたんだと思う。
だから、口が滑ってしまった。
ちょうどそのタイミングで最寄駅に着いたから、なんか不思議な雰囲気で解散した。
その後ガラガラの電車に乗ってたら、なんか我に帰ってきて…
あれ、俺なんでわざわざチャンビンさんに名前言ったんだろうって。だって男とバレても素顔はバレてないし。
そのまま隠し通せたはずだったんだけど…
もういい。早く帰りたい……
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!