【ヴィラン連合 隠れ家】
私が連合に入ってから
少し日が経ったある日。
もうすっかり場所を覚えた店へ向かう。
ドアを開けると、思いのほか人は少なかった。
いつもは皆勢揃いで『遅刻だ』ってなじられるのに…
あれ酷いと思う!みんなしてさ!!
…………ポカーン。
……はい?
圧紘くん…アツヒロくん……?
……それ誰ゃ…?
私がしばしフリーズしていると、Mr.コンプレスが
何か思い出したように口を開いた。
指を指されたのは荼毘だった。
あー、ぽい。(何がだ)
そう聞くと彼は頷いた。
後ろの黒霧さんも、目を伏せて何か分かったような顔をしている。
察し良すぎだろこの人たち。
話が通じていない残りの二人が同時に口を開く。
私がしばらく言葉を選んでいると、それに気づいた
保護者二人は少し本題から話題を逸らす。
私は自分の白い髪の毛を指でクルクルしながら、ポツリとそう零す。
荼毘が何か怪しんでいるような目で睨んできて、トガちゃんはよく分からないという風に首をかしげた。
そして、保護者二人は複雑そうにこちらを見ている。
あ、やば。
ちょっとばかり空気が重くなってしまったので話題を戻そうじゃないか!!!(否めないゴリ押し感)
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。