第6話

6#少しずつ寒くなれや
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2023/11/16 06:00
クラウン
うぉー…寒っ…

季節はいつの間にか11月。


ピューっと音を立てて北風が吹いて
今ばら撒いたばかりのチラシが宙に舞う。





屋内を求めていつものかくれがに駆け込むと、
そこには思ったより大勢がいた。
クラウン
こんちはー…
あれ、皆さんお揃いで何やってんの
スピナー
うわっ、また騒がしい奴が来た…
トガヒミコ
あなたの本名(下の名前)ちゃん!こっちこっち!!
トゥワイス
大変なことになってんだぜ!!何も問題ねぇ!
クラウン
何々どうした?…え
トガちゃんとトゥワイスに手招きされて
奥の部屋のベッドをのぞき込むと、そこにいたのは
荼毘
…帰れ
クラウン
荼毘どうしたんwww
死柄木弔
不謹慎な奴だなお前
黒霧
開口一番が「帰れ」なのもどうかと思いますが
Mr.コンプレス
あなたの本名(下の名前)も来たなら看病手伝えよ?
ここにいる奴らの半分も真面目にやらねぇんだから
クラウン
見てるだけなんて人のこと言えないぞリーダー

どうやら、店でいつも通り黒霧さんとリーダーが話していたところに
荼毘が来て、ドアを開けるなりぶっ倒れたらしい。

額に載ったタオルをどけて手を当てると
結構な発熱だということが分かった。
荼毘
…ア"ァ…ったく
クラウン
最近寒いもんねェ(パシャ)
スピナー
今写真撮ったぞ
トゥワイス
配慮のかけらもないぜ
優しいやつだ…
クラウン
黒霧さん薬どこー?
トガヒミコ
ストーブ付けましょう!

いつも生意気な奴が弱ってる姿をバッチリカメラに収めて
コンプレスに言われた通り看病の手伝いをする。

後でグループラインのアイコンにしとこ。(えげつない)







黒霧さんと棚の中を漁ってみたが、風邪薬は見当たらない。
黒霧
切らしているようですね…
クラウン
あららー…じゃ今から買ってくるから、コレ飲ませといて!


そう言って、私は自分の頬に「ボトル」を当てた。
そして満タンになったところで、ボトルを黒霧さんに手渡す。
黒霧
…体力、ですか
クラウン
そんなとこ。じゃ、行ってきまーす





ガチャ。

私が買い物に出るのと同時に、黒霧さんは
荼毘の寝ている部屋に戻った。
黒霧
あなたの本名(下の名前)さんがこれを
荼毘
んだそれ
死柄木弔
…体力か
トガヒミコ
で、そのあなたの本名(下の名前)ちゃんは
黒霧
風邪薬を買いに出かけられました
Mr.コンプレス
え、それ…
トゥワイス
どうかしたか?ミスター
Mr.コンプレス
いや、だって外寒いんだろー?
体力少ない状態で、しかも病人と接した後に買い物なんか…
連合
……
スピナー
…いや、大丈夫だろ
【三日後】



クラウン
大丈夫じゃありませんでしだ!
連合
だろうよ。

クラウンもといあなたの本名(苗字) あなたの本名(下の名前)、完全に風邪ひきました!!

トガヒミコ
大丈夫ですか?
スピナー
いや家で安静にしてろよ!
風邪をひいてはいるものの、家で一人でいるよりこっちの方が
早く治りそうだと思って店に来た。



絶対そんなこと言ってやらないけどな!
クラウン
だって仕事やずめないじゃん
Mr.コンプレス
あららまぁ、見事に鼻声になっちゃって
荼毘
そんなんで仕事なんかできるかよ
すっかり治ったらしい荼毘も口をはさんでくる。

私の体力返せ、若造。
黒霧
風邪薬ありますよ
クラウン
あざす…












黒霧さんから風邪薬を受け取ろうと、歩き出したその時。
クラウン
っ…!?…ハァっ、ハァ
一歩踏み出すと足がもつれてうまく歩けない。
息があがって、頭も痛くなってきてしまって




視界が、歪んで








__そのまま意識が薄くなっていった。

クラウン
……?
Mr.コンプレス
…っと、お、起きたか?
トガヒミコ
あなたの本名(下の名前)ちゃん起きました!?
目を開けると、そこは三日前に荼毘が寝ていた部屋。
顔を覗き込んできたのはトガちゃんとコンプレスだった。



そしてトガちゃんの声を聴いて、ぞろぞろと部屋へ人が入ってくる。
帰ってもよかったのに。
死柄木弔
お前完全に荼毘の二の次だったぞ
荼毘
…うるせェな
トゥワイス
大丈夫かクラウン!大丈夫な訳ねぇな!!
クラウン
あぁ…うん、ありがとトゥワイス
ワタシどんくらい寝てた…?
黒霧
三時間くらいですね

風邪薬を用意しながら黒霧さんは言う。
結構寝てたな、面目ない。


錠剤を二粒口に放り込んで寝転がると
トガちゃんが冷たいタオルを額に乗せた。
トガヒミコ
急に倒れたときはビックリしました…
目覚ましてよかったです
Mr.コンプレス
ここんとこずっと病人の看病してっから、次は俺かもな…
クラウン
二人ともありがとね…急に寒くなった地球が悪いね…
スピナー
無茶苦茶だな



頭の痛さがぶり返してきて、もう一度寝ようと布団をかぶりなおす。
目を閉じようとした時、
荼毘
待て、こっち向け
クラウン
え?
荼毘に呼ばれて、あまりに珍しかったもので素直に振り向くと







待ち構えていたのはスマホのレンズ。
荼毘
(カシャ)
クラウン
……!!!お前っ…!
荼毘
ハッ、おあいこだ
クラウン
消せーー!!!
Mr.コンプレス
おわっ!?今度はなんだよ全く
死柄木弔
うるせぇ病人安静にしろ
トガヒミコ
まだ寝ててくださいあなたの本名(下の名前)ちゃん!
クラウン
消せってば!荼毘!!



__さて、次に風邪っぴきになって写真を撮られるのは誰になるやら。

寒さは深まるばかりです。
スピナー
ゲホッ…!ゴホ…

…ん?

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