第5話

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2025/05/16 02:29 更新
どうも。ルイス・リューベックこと四宮あかりです。

今ね、オリビア本人にさ、辛かったよね、ここは二人だけの空間だから思う存分に泣いていいよ的な失恋した友達を慰める時に言うようなことを言ったんですよ。

そしたらさ、
オリビア・ノルツェ
オリビア・ノルツェ
お父様、このような良縁をありがとう存じます······!
わたくし、このようなお優しい方の婚約者になれてとても幸せですわ······!
本当に涙を流して喜ばれた。
ルイス・リューベック
ルイス・リューベック
いえいえそんな······気にしないでください。
まさかガチで泣かれるなんて予想外なんですけど。
オリビア・ノルツェ
オリビア・ノルツェ
やはりお姉様やお母様の心配は杞憂だったのですね······!
ルイス・リューベック
ルイス・リューベック
え?心配?
やっべぇぇぇぇぇ!

あまりにも驚きすぎて中の人の口調がでてしまったぁ!
オリビア・ノルツェ
オリビア・ノルツェ
オリビア・ノルツェ
オリビア・ノルツェ
もっ、申し訳ございませんっ!
ルイス・リューベック
ルイス・リューベック
きっ、気にしないでください。少し驚いただけですから。
彼女としては王子であるルイス様にめちゃくちゃ失礼なことを言ってしまったとでも思っているんだろう。

大丈夫だよ!

気にしないで!

ルイス様が無気力無関心塩対応なのは今に始まった話じゃないからね!

もちのろんそれは事実だから!

めっちゃメタいこと言うけどそれがこのゲームにおけるルイス様攻略ポイントだから!

なんだったら私は四宮あかり時代から知ってたからねその情報は!
私のバカバカ!

貴族は感情を抑えて過ごすもんだってことはラノベや乙女ゲームで習ったでしょうがぁ!

しかもルイス様は王子ぞ!?

しかも基本的何事も無気力無関心決め込んでるタイプの!

第三王子とはいえ王子様だからな!?

ヤバいヤバいヤバい

私自身は全く興味ないけどこれで挙げ足とられてルイス様の派閥の人になんらかの不利益が出たらマズい!

派閥どころか王位にも興味ないけど自分の味方をしてくれてる人たちに迷惑がかかるのは避けたい!

前世のお母さんにも言われてたんだよ!

まだアンタにはわからないことの方が多い。だからトラブルに巻き込まれるのはしかたない。けど、自分からトラブルを作るなってね!

しかもしかも!

相手は商人だし!

ある意味噂や情報戦のプロフェッショナルなんですけど!

っふぅ、落ち着け落ち着け。
ルイス・リューベック
ルイス・リューベック
こちらこそ、取り乱してしまって申し訳ございませんでした。
オリビア・ノルツェ
オリビア・ノルツェ
いえいえ。
オリビア・ノルツェ
オリビア・ノルツェ
ふふっ。ルイス様にも、取り乱されることがあるんですね。
今日初めて彼女が笑った気がする。

だいぶ緊張感が薄れたのかな。

かわいいかよ(真顔)

涙も落ち着いたようだし、もう2人きりで話す必要はないな。

私は遮音結界魔法を解除した。

ストレートに言うのはアレだと思うからここはせっかく覚えたこの言い回しで。
ルイス・リューベック
ルイス・リューベック
オリビア様。
ルイス・リューベック
ルイス・リューベック
コスモスの茎を折ったブーケを使用人に作らせてください。
オリビア・ノルツェ
オリビア・ノルツェ
ええ、かしこまりました。
ここでちょっと言い回しについて解説。

このコスモスとは私の前世でのコスモスのことである。

コスモスの花言葉は調和。

つまり仲介人、ここではオリビアの使用人のことを指すごと口封じして秘密にしようと言うことだ。

茎を折るのにも意味がある。

花は話の大事な部分、この場合はオリビアとの婚約話を指す。

そこだけを片方の両親に渡すことでひとまず相手の思う通りに表面上は話がまとまったってこと。

意外と恋人同士にはあるあるらしい。

逆に自分の婚約者からこの状態の花を贈られてきたら浮気されている可能性があるので要注意だ。
ルイス・リューベック
ルイス・リューベック
(守りたい。この笑顔。)
私は何が何でもこの子をあんの悪役令嬢グレーテル・シューヴィンや乙女ゲームのヒロインというある意味魔性の女アリアナ・ベルニーから守ろうと心に決めた。
オリビア・ノルツェ
オリビア・ノルツェ
本日はありがとう存じました。
そしてオリビアが退室し、使用人たちが部屋の掃除を始めたのを見届けると、
ルイス・リューベック
ルイス・リューベック
······ああ疲れたぁ······
私はすぐに自室に戻り、ベッドに寝そべった。
ルイス・リューベック
ルイス・リューベック
やっぱり魔力使うとしんどいなぁ······
前世には魔法という概念があまりなかったがイメージ的にはめちゃくちゃ分厚くて文字が小さい小説を読破した時のあの疲労感だ。
ルイス様じゃなくても寝たくなる。
ルイス・リューベック
ルイス・リューベック
寝よ······
私はそのまま、目を閉じた。

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