声の主へと視線を移せば、そこにはダボっとした大きめの黒のパーカーを着て、黒のズボンという、全身黒コーデの男の人が立っていた。
暗くてもわかるくらいに整った顔をしている彼は、私の目の前に立ち、倒れている男を冷たい目で見下ろしている。
.「 な、何するんだ…!!」
どうやら彼が、ストーカー男を殴り倒してくれたらしい。
その証拠に、男の頬は赤く腫れ上がっている。
いや、力強すぎない…?
それから、悔しそうな顔をした男は、慌てて走り去っていった。
それと同時に目の前の彼がこちらを振り返って、座り込んでいる私に声をかける。
でも、安心して次から次へと涙が溢れる。
そう声をかけて涙を拭ってくれるけど、あまりにも泣き止まない私に、彼はどんどん焦りだす。
大丈夫だからね、と私の頭を撫でてくれる。
しばらく泣いて落ち着いた頃、改めて彼の顔を確認する。
マスクをしていて、目しか見えないけど、綺麗な目と肌の持ち主だということはすぐにわかった。
すると、
そう言ってゆっくりマスクを外した彼。
決して太っているわけではないけれど、ふっくらとしたモチモチそうなほっぺと、形の整った唇が現れて、さらに驚く。
何この人……めっちゃイケメン………
至近距離で目が合って、恥ずかしくなってパッと目を逸らした。
手を差し伸べてくれて、その手を掴んでみるも、私の足に力が入らない。
でも、これ以上迷惑をかけるわけにはいかない。
もうこんな夜遅いし。
すごく変な人だと思われるだろうけど、こればっかりは仕方がない。
彼は、私の腕を彼の首元に回したかと思えば、
あ、あいご…?
そんな日本語ありますっけ…
てか、
なんか、初対面のイケメンの男性にお姫様抱っこされてるんですけど?!
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!