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第13話

13話
11
2023/11/14 11:53
「一緒にいるほど、好きになるほどつらくなってい

く。…声が聞きたい。もう聞けないなら、また好きに

なんてならなきゃよかった」。


そう私に思いを伝えたグク。


“声を出さない”、

“電話しない”…

“それでも一緒にいたい”

と私はメモに書いて自分の気持ちを伝えるが、

グクには響かなかった。

私の家にテヒョンが来る。

私とグクを心配した弟・光が差し向けたのだ。

テヒョンはグクの気持ちが高校生の時のまま止まっ

ていて、私とずれてしまっていると言う。

一方、奈々と会ったグクは、

「昔の似ている誰かではなく、今のその子をちゃん

と見たほうが良い」と告げられた。

もう一度ちゃんと話したい。私から送られたLINE

に、グクは

「行きたいところがある」と返信。


私はかつての恩師に、グクとの待ち合わせ場所を使

わせてほしいと頼んだ。

私は母に励まされて、グクとの待ち合わせ場所に向

かう。

私とグクが待ち合わせたのは、韓国で2人が出会った

高校の教室。

なぜ教室にしたのかと問う私に、なんとなく来たか

ったと答えるグク。

黒板に文字を書いて思いを伝える私は、

「一緒にいるのがつらいならもう会わない」

「また好きになれて良かった」

と別れを告げて帰ろうとする。

するとグクが何やら書き始めた。

「人の声が聞こえないことは当たり前になったけ

ど、キミの声が聞こえないことは受け入れられなか

った」と。

「声を出さない」

「笑わない」

などと必死に書く私。

その文字をグクは手で消した。

一緒にいるともっとつらくなって、私や周囲の人た

ちに迷惑がかかると悩んでいたと打ち明けるグク。

しかし、グクは、

「それでも一緒にいたい」

と告白。

私は

「伝えることを諦めないでほしい」

と伝え、自分も一緒にいたいとグクに寄り添った。

グクは韓国の実家に立ち寄る。

母が表に出ると私が待っていた。

母は手話でグクと話す難しさをこぼす。

うなずく私。

だが、母は楽しそうなグクを見られてよかったと安

心した様子だった。

テヒョンは花束を抱えた奈々と偶然出会い、かすみ

草をおすそわけされる。

その後、奈々は正輝に花束を渡した。

私がグクを待っていると、テヒョンが来た。

テヒョンはおすそわけだと私にかすみ草を渡す。

その頃、奈々もグクにかすみ草を渡していた。

私とグクは、お互いにおすそわけのかすみ草をプレ

ゼント交換。

楽しそうに話す2人に、穏やかな時間が戻って来る。

そして、グクは私の耳に何かを囁いた。

出会ったころのように…。

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