前の話
一覧へ
次の話

第4話

3
53
2022/08/19 11:00 更新
あなた
ふぅ、、、





静かにリビングの扉を開ける




あなた
おはよう御座います。
あなた
お父さん、お母さん





目尻を下げて、口角は緩く曲げる。





柔らかく、上品な笑顔で。





新聞を読んでいた、目つきの鋭い黒髪の男が振り返る




父
、、、、、、43点
父
目尻を下げすぎている。
父
口角はそのままでも良いが、下げ過ぎた目尻の所為で詐欺師の様だ。
父
それから、爪先の位置が左右でずれている。
父
瞬時に爪先のずれなく足を揃えられる様にしろ
父
あと、一番問題なのは背筋だ。
父
胸を張り過ぎだ。前回胸を張れと言ったが自分で調節もできないのか
父
以上の理由から、今回は43点だ。
父
前回よりも1点下がっている、怠けているのではないか?
あなた
いえ、そんな事は、、、
父
、、、、、、
あなた
、、、前言を撤回します
あなた
申し訳ありません





父は、元俳優だ。





世界中を飛び回っていたと言う。





まぁ、所謂スターと言う奴である





そんな父だからか、私が物心つく前から演技の指導をしていたらしい。





因みに、今やっていたのも朝の練習の一環





事前に父から出されたお題の通りの役を演じると言うものだ。





今回はある財閥の令嬢と言う役だった





その役を一日中演じきる





学校以外は食事中も、部屋で勉強してる時も全て、だ。





365日一日中演技し続ける。





プロの俳優でも難しい事を、中学生の少女がやっている





途轍もないストレスが掛かっている事だろう。





しかし、この少女のストレスの原因はこれだけではない。





母
ちょっと。
あなた
はい
母
身だしなみの確認が甘いんじゃなくて?
母
ほらここ。





そう言って母は、髪の先を指差した。




あなた
え、髪ですか?





可笑しい。





真っ直ぐになる様にきちんと整えたのに。




母
ここの髪の毛が少し跳ねています
母
全て完璧に同じ向きに整えなさい。
あなた
、、、はい。
あなた
次は、気を付けます。





私は、両親に褒めて貰った事がない。





もっと、完璧に近づけば褒めて貰える。





きっと_______________________________________。

プリ小説オーディオドラマ