教室に現れた部員、それは。
肩まで伸ばした真っ黒な髪をハーフツインにしたイケメン、クラスメイトの黒木 輝がそこに居た。
輝はクラス一のイケメンで高身長。
運動神経も悪くなくてクールな雰囲気。
学年で1番モテる男だと思う。
アロマンスって、たしか恋愛感情を抱かない人の事だったはず。
だからあんなにモテてるのに誰かと付き合った話を聞かなかったのか…。
た、確かに……。
なんてことだ…自分のクラスのマイノリティーである輝に気付かないばかりか、逆に見破られてこの部に誘われてたなんて…
驚きはしたけど、納得はした。
したけどさあ……。
首をこてんと傾けて不思議そうにしてる。
クールで無口な印象だけど、実際蓋を開けてみたら輝はただの天然なんだよなあ…。
そこが面白くて良い所だけどさ。
ん?いや待てよ、もしかして…。
と、頭の中で一つの可能性を模索した時、その人物は現れた。
百合や昴の様にすごく仲のいい友人って訳でもない。
輝みたいに仲のいいクラスメイトでもない。
けど確実に私の心を動かす人物。
教室に入ってきたのは、白くて長い前髪で目元が見えない、細身で男子生徒制服を着た1人の人物。
村雨雷は小さな悲鳴を上げるなり、輝の後ろに隠れた。
白い髪、白い肌、細身で中性的な体格、目元は前髪に隠れて見えないのに、鼻から下だけでわかる顔立ちの端正さ。
私が叫んでいるのには訳があって、
村雨雷は入学後すぐに教室に来なくなってしまった幻の生徒。
入学式に一目見て、村雨雷のファンとなった僕は
2年生になって同じクラスになれて死ぬほど喜び、
またお目にかかれる日を待ち侘びていた。
そう説明を受け、私は思わず天を仰いだ。
輝はまた不思議そうな顔をした。
言ってなかったっけ…?って顔だ。
私は輝の後ろに隠れる村雨雷にずんずんと近づき、
目元を覆い隠す彼の前髪をサッと掻き分けた。
初めて見た村雨雷の目はパッチリとした色素の薄い灰色。俺よりも明るい色かもしれない。
整ってるんじゃないかって思ってたけど、
ここまで美形だったとは…。
また輝の後ろに隠れられてしまった。
人見知りなのかな?
桐也先輩は私たちを見渡し、腰に手を当てて仁王立ちをしてみせた。
改めてみんなを見て思った。
みんなそれぞれが全く違うセクシャリティで、
みんなそれぞれが全く違う色を持つ。
きっとその色は「普通」と呼ばれている色とは違う。
それでもこうして集まって話して、支え合ってる。
fool…愚かな色を持つ私たち。
モノクロだって良い、派手だって良い。
そう言われている気がして、心強さを感じた。
僕の学生生活は新たなスタートを切った。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。