第9話

明度
41
2024/10/18 06:14 更新
真宮 咲乱
やっと帰ってきたー!
遅いですよ先輩たちー!
三笠 桐也
いやいや。
戦場で頼まれた物を全て確保できた事を
褒めて欲しいくらいだ。
教室に帰るなり私達に群がるみんな。
それぞれ購買で買ってきたものを取って
自分の席に座って食べる。
横向きに座ったり、後ろ向きに座ったり。
お行儀は良くないかもしれないけど、みんなの顔が見えて話せるのっていいな。
黒木 輝
明日は、もっと戦場。
村雨 雷
あ、明日あれか。
月一のカツカレーパンの日か。
三笠 桐也
うげっ。
桃田 泉
験担ぎのやつですね。
最初は受験生用のだったのに
いつの間にか食べると願いが叶うって
ジンクスになったやつ。
真宮 咲乱
私カツカレーパン食べたのに先月
振られましたよ。
桃田 泉
あくまでそう言われてるだけ。
ってか、まだ引きずってんの?
真宮 咲乱
そりゃ振られたんだもん…。
桜乱は同性愛者だもんなあ。
確かにその辺の女の子だったら告白しても付き合えることの方が少ないか。
真宮 咲乱
でも今は燐先輩がいるから!
村雨 雷
えと…本気で惚れてるんだ…?
真宮 咲乱
当たり前です!
覚悟してて下さいね、燐先輩!
可愛くニコッと笑う桜乱に思わずキュンとしてしまったけど、僕の横でカツサンドを食べてた雷がジトーっと睨んできた。
黒須 燐
え、何、僕なんかした?
村雨 雷
別に…。
ふいっと明後日の方へ顔を逸らされた。
え、地味に傷つくんだけど。
三笠 桐也
うーん…これは…
波乱の予感かもしれないな?
黒木 輝
燐、無自覚だけどね。
黒須 燐
何が?
私がそう聞くとなぜか部長と輝にも目を逸らされた。
なにこれいじめか?
桃田 泉
そ、そういえば今日ってアレっすよね。
放課後に相談者が来る日っすよね。
空気に耐えられなかったのか、泉はみんなに別の話を振った。
先ほどまで目を逸らしてた部長がようやくこちらの方に顔を向けて話し始める。
三笠 桐也
ああ。だから今日は放課後の部活は
全員参加で頼む。
黒須 燐
全員来ない日もあるんですか?
三笠 桐也
ああ。基本的には自由参加で、
部活に来てる奴らで教師からの雑用。
今日みたいに依頼がある日は全員参加だ。
そうか…今日みたいにみんな集まれる日はあんまり無いのかな。
少し残念に思っていると、みんなからの視線を感じた。
真宮 咲乱
今日から用事のない日は毎日きます。
村雨 雷
俺は毎日来てるから。
桃田 泉
自分もバスケチームの練習がない日は
来ます!
黒木 輝
俺も、来るね。
三笠 桐也
俺と雷は毎日いるから、
そう寂しそうな顔をするな。
え、そんなに寂しそうな顔してた?
急に自分が恥ずかしく感じて顔が熱くなる。
真宮 咲乱
燐先輩可愛すぎますよ、
ちゅーしていいですか。
村雨 雷
流石にだめだよ…!
真宮 咲乱
なーんで雷先輩が決めるんですか!
村雨 雷
そ、それはその…。
なんか二人で言い合ってる。仲良いなあ。
黒須 燐
そういえば僕たち、
午前中で課題終わっちゃいましたけど
午後から何をするんですか?
三笠 桐也
自習だな。
各々好きにやってる。
真宮 咲乱
部長はいつも自習してるフリして
本読んだりしてますけど。
本当に勉強が苦手なんだ…。
一応ここ進学校な筈なんだけどな、どうやってこの学校に入ったんだろ。
まあ百合よりはいいか。
前回のテスト全教科合わせて5点だったし。
なんだよ全教科合わせて5点って。

みんなで喋りながら過ごす昼休みはあっという間に感じる。もう昼休み終了の鐘がなった。
黒木 輝
燐、俺戻るね。
黒須 燐
うん。
黒木 輝
燐、明日は教室登校する?
捨てられた子犬みたいな顔の輝。
でも、私は…。
黒須 燐
…まだ分かんない。
まだちょっと怖い。
黒木 輝
分かった。
燐が怖いなら、無理して欲しくない。
優しい奴だなあ。
改めて輝の優しさを感じて胸が熱くなった。
午後からも部長や雷、桜乱と過ごせるし、ここに居ればなにも怖くない。


そう思っていた。

プリ小説オーディオドラマ