課題終わるのが1番最後の人は買い出し担当と聞いて頑張ったけど、雷と桜乱に敵わず3位。
2人とも頭いいんだなあ…。
ちなみに桐谷部長がまだ終わってないので、最下位は桐谷部長って事になるけど…。
いつもハキハキと喋る桐也部長が萎れてる。
本当に勉強苦手なんだ…。
まあ、-2点をとった百合よりはマシだろうけど。
なんだよマイナスって。
課題は終わってるとはいえ、通常ならまだ四限目の授業が行われているのもあって、私たちは小さな声でヒソヒソ話してる。
なんか、常に自習って感じで楽しいな。
机の上で潰れてる桐谷先輩には、先日家へ押しかけて来た時の迫力も威厳も無くなってた。
ヘロヘロの先輩が机にタップしたまま手だけをこちらにひらひらと振ってみせたのと同時に、四限目の終了のチャイムが鳴った。
この教室で過ごす初めての昼休み。
重たい腰を上げた桐谷部長の元に、更なる試練がやって来た。
教室のドアが開いたと思えば、泉と輝。
この人たちは一応、部長に導かれてこの部に入ったんだよね?
先輩の事をめちゃくちゃこき使ってる気がするけど…。
うなだれた部長は何かを思いついたかのように僕の方をバッと見てきた。
え、何こわい。
嫌な予感がする。
部長がいつもの不適な笑みを浮かべるのを見て、
その予感は確信へと変わった。
情けないセリフを堂々とドヤ顔で言う先輩。
あの日の頼り甲斐やカリスマ性はどこへ行ったんだろう。
購買は戦場だ。
買いたいものは人の波を掻い潜って進まなくてはいけない。
お互いに声をかけながらみんなの分の物を確保。
今日は敗北せずに済んだ。
気を抜くとすぐに売り切れて、誰が買うのかよく分からないパンだけしか残ってないとかもある。
塩辛クリームサンド。略してしおくり。
仕送りと音が同じだから、みんな仕送りって呼んでる。
ガヤガヤとまだ人で溢れかえる購買から教室に戻ろうと歩いていると、視界の端っこに知ってる顔が見えた。
思わず先輩の陰に隠れるように身を寄せる。
拍子抜けする先輩の一言に肩の力が抜ける。
先輩の肩越しに見ると、もうすでに購買の方へ消えていったみたい。
見た目を変えて、環境も変わって。
なのに私自身は何も変わってないじゃん。
心のモヤモヤが残ったまま、みんながお腹を空かせてまっている教室へと急いだ。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。